漫画、抹茶味のお菓子を置いて「自然な部屋」に
Airbnbで人気の物件にするためには、ゲストが好む空間にすることも大切です。ゲストが求める部屋とは、一言でいえば「日本らしい部屋」です。
これは何度も言ってきましたが、日本らしい部屋というのは、伝統的な日本家屋をもとにした部屋のことではありません。我々日本人が普通に暮らしている部屋のことです。たとえばホストの好きな漫画や雑誌などがあるだけで、自然な部屋になります。
特にチェックイン時には、ホストに関係あるものが置いてあると喜ばれます。日本人がよく食べるお菓子などは評判が良いです。ゲストが楽しみにしていることは「日本人らしい体験」なので、日頃からホストが口にしているお菓子などは気が利いています。
一番好評なのは、キットカットの抹茶味です。キットカット自体は諸外国にもあって馴染みのあるお菓子ですが、抹茶味は日本にしかなく非常に珍しがってもらえます。また、基本的にチョコレート系のお菓子は喜ばれます。
反対に、せんべいや餡子などは好き嫌いが分かれるため、避けたほうが無難です。健康志向のゲストも多いので、アーモンドやミネラルウォーターなども比較的喜ばれます。
ホストの好みが伝わるような「小物」を置いておく
部屋の内装では清潔感が重要です。写真で見たときにも実際に泊まったときにも、清潔感があるように手入れや掃除は念入りに。鏡やシンク、蛇口を磨いてピカピカにしたり、床をモップで拭いておくことで、清潔感が出ます。さらに言うと、部屋にコンセプトやテーマがあると、ほかとは違うユニークな部屋になります。
たとえば、「この部屋のホストはこんなものが好きなのか」と分かるようなフィギュアやオブジェ、ポスターなどを、わざと置いておくのです。すると、個性が引き立ちます。
小物を自分でつくるという手もあります。写真を飾る外フレームやポスターフレームを買ってきて、中身は自分で用意してみてはどうでしょう。要らなくなった着物の切れ端を入れて飾ったり、筆文字で書いたメッセージを入れてみたり、自分で撮った写真を飾ったり。自分で集めているものを飾っても面白いかもしれません。
ゲストが思わず写真を撮りたくなるような部屋は、フェイスブックやインスタグラムに投稿してもらいやすく、それを見たほかのゲストが「面白そう。自分も泊まってみたい」と思ってくれる可能性が高くなります。
筆者がコンセプトづくりとリノベーションを手掛けた事例で言えば、「Tokyo Art Room」があります。
「アートギャラリーに泊まれる」をコンセプトに、プロのインテリアデザイナーや1級建築士の協力のもと、クリエイターの作品と出会えるこだわりの部屋づくりをしました。日本人のクリエイターの作品が部屋の中に飾られており、毎朝起きると真っ先にその絵が見えるという仕掛けです。こうした物件はほかにないので、ゲストに魅力的に映ります。
Airbnb創業者の1人であるジョー氏が泊まりに来てくれたことがありますが、「毎日起きたら、そばに絵がある。素晴らしい部屋だった」とコメントしてくれました。