FRBは金融政策を据え置き
■米連邦準備制度理事会(FRB)は9月21日、22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、現在の金融政策を維持することを決定しました。
■政策金利はフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標レンジを0.00~0.25%に据え置き、債券購入プログラムについては、雇用の最大化と物価安定に向けて一段と顕著な進展があるまで現行ペースを維持するとしました。
テーパリングが近いうちに開始
■一方、声明文には「資産買入れのペース減速が近いうちに正当化される可能性がある」との文言が新たに追加されました。
■パウエル議長は記者会見で、来年の中ごろにかけて終了する緩やかなテーパリング(資産買入れ縮小)が適切との見方を示しました。
■ただし、テーパリングは政策金利の引き上げの時期に直接的な示唆を与えるものではないと、利上げには慎重姿勢をとっています。
金融緩和縮小は慎重に実施
■22日と23日の米国市場では、株式市場、債券利回りはともに上昇しました。テーパリングが近く開始されることは市場の想定通りでしたが、23日は英中銀による利上げ時期前倒しの示唆が米国市場に波及したこともあって、長期金利は大きめに上昇しました。
■パウエル議長は「最大雇用と物価安定目標を達成するため金融政策は極めて緩和的であり続ける」と述べており、金融緩和の縮小は慎重に行われると見られます。一方、その他のFOMC参加者による政策金利見通しでは今後の利上げペースが従来よりも早まっており、FRBによるかじ取りが注目されます。
■今後の市場については、金融緩和縮小が意識されつつも、企業業績拡大によって株価は上昇を続けると予想します。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『FRBはFOMCで近いうちのテーパリング開始を示唆』を参照)。
(2021年9月24日)
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