西武ライオンズが「試合映像を自主制作」している納得の理由

従来のプロ野球の試合中継は、かつて球団は、「映像」に関してはほとんどノータッチでした。球団がテレビ局に「放映権」を販売することで、テレビ局はスタッフやカメラ、中継車を球場に用意し、アナウンサーと解説者が現場へ来て、その映像に声を乗せて放送するという仕組みでした。しかし今や、球団が自ら制作した映像を各テレビ局に「売る」時代に変わりつつあります。球団が映像制作に着手する意義とは何か。西武の「球団映像」の責任者・髙木大成氏より聞いた、21世紀の球団ビジネスの一部を見ていきましょう。

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※本連載は、喜瀬雅則氏の著書『稼ぐ!プロ野球』(PHPビジネス新書)より一部を抜粋・再編集したものです。

球団が自ら「試合映像」を制作する時代へ

西武が「球団映像」に着手したのは2008年(平成20年)のことだった。

 

文字通り「球団」が「映像」を制作するのだ。

 

西武の場合は、球団が映像を扱う会社に業務委託を行っている。この中継映像をパッケージとして、球団からテレビ局に販売するのだ。

 

多チャンネルとなった今、この「インハウス・メディア」がスタンダードになっている。つまり、放送する権利だけではなく、球団が自ら制作した映像も放送局に購入してもらう仕組みになっているのだ。

 

テレビ局にも、メリットが大きいという。まず、中継に携わるスタッフを出さなくていい。映像を買うことができれば、試合前から試合後のインタビューまで、試合に関するすべての映像が揃っているのだ。テレビ局にしても経費節減の上、重要なコンテンツは届けられる。

 

球団にすれば、この「球団映像」を販売することで収入を確保できる。テレビの制作会社に業務委託するそのコストを引いても、十分な利益が上がるのだ。

 

髙木は「球団映像」の管理、そして商談にも携わっている。試合後には、中継映像に関する反省を兼ねたミーティングでも、中心は髙木になる。

 

「ここ、こういう感じにしたらどうですかね、と反省会などをやっています。映像の最終的な責任は我々なので、毎試合、映像と音声チェックには携わっています。技術的なところはプロに業務委託してやってもらっています」

スポーツライター

1967年、神戸市生まれ。関西学院大経済学部卒。

1990年、産経新聞社入社。1994年からサンケイスポーツ大阪本社で野球担当として阪神、オリックス、近鉄、ダイエー、中日、アマ野球の番記者を歴任。2008年から8年間、産経新聞大阪本社運動部でプロ・アマ野球を担当。『産経新聞』夕刊連載「独立リーグの現状 その明暗を探る」で2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。

2017年7月末に産経新聞社を退社。以後は、業務委託契約を結ぶ西日本新聞社を中心にプロ野球界の取材を続けている。

著書に『牛を飼う球団』(小学館)、『不登校からメジャーへ』、『ホークス3軍はなぜ成功したのか?』(ともに光文社新書)がある。

著者紹介

連載稼ぐ!プロ野球 ~新時代のファンビジネス~

稼ぐ! プロ野球 新時代のファンビジネス

稼ぐ! プロ野球 新時代のファンビジネス

喜瀬 雅則

PHP研究所

「野球」だけがビジネスではない! データ活用、SNS戦略、グッズ展開、コミュニティ…利益と熱狂を生み出す“勝利の方程式”とは? プロ野球を見れば、いまのビジネスがわかる――。少子高齢化に伴う「野球離」が進み、…

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