「中学受験は算数で決まる」という言葉を聞いたことはありませんか。入試は合計点で決まります。算数1科目で合否が決まるわけではありません。では、なぜ中学受験は算数で決まるといわれているのでしょうか。※本連載は安浪京子氏、おおたとしまさ氏の著書『中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。
中堅校狙いならば典型題を詰め込む
丸暗記型か否かを見抜く方法は、「子どもに解き方を説明させること」です。スラスラとよどみなく説明できたら塾の先生になれます……というより、それは塾の先生の説明を丸暗記している証拠。たどたどしく(考えながら話すとスラスラ話せません)自分の言葉で、親にでもわかる説明ができていれば大丈夫です。
ただし、志望校が最難関校や難関校でなく、「とにかく算数が苦手」というお子さんは、直前期はひたすら典型題を詰め込む、つまり暗記することが得点につながります。中堅校では基本的にパターン問題が解ければ算数はほぼ7割、点数がとれます。理科や社会の知識問題を詰め込むのと同じです。
だからといって「じゃ、直前期に暗記すればいいのね」というのもまたちがいます。一生懸命考え、取り組んできた月日があってこそ、最後に暗記が叶うのです。そこははきちがえないでくださいね。
Pointまとめ
● 受験算数は特殊なため、もっとも時間を費やす必要があるのは事実。
● 算数に計算力は必須。公文は近道だが、取り組み方を間違えないこと。
●「受験は暗記」の意味をはきちがえない。
安浪京子
株式会社アートオブエデュケーション代表取締役
算数教育家
中学受験専門カウンセラー
株式会社アートオブエデュケーション代表取締役
算数教育家
中学受験専門カウンセラー
神戸大学を卒業後、関西、関東の中学受験専門大手進学塾にて算数講師を担当。生徒アンケートでは100%の支持率を誇る。プロ家庭教師歴約20年。きめ細かい算数指導とメンタルフォローをモットーに、毎年多数の合格者を輩出。中学受験、算数、メンタルサポートなどに関するセミナーを開催、算数力をつける独自のメソッドは多数の親子から支持を得ている。「きょうこ先生」として多数のメディアでさまざまな悩みに答えている。著書に『最強の中学受験 「普通の子」が合格する絶対ルール』など多数。
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連載中学受験の2大カリスマが教える「中学受験の真実&新常識」
教育ジャーナリスト
1973年、東京都生まれ。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退、上智大学英語学科卒業。リクルートから独立後、数々の育児・教育媒体の企画・編集に関わる。教育現場を丹念に取材し斬新な切り口で考察する筆致に定評があり、執筆活動の傍ら、講演・メディア出演などにも幅広く活躍。中学・高校の英語の教員免許、小学校英語指導者資格をもち、私立小学校の英語の非常勤講師の経験もある。著書は60冊以上。
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