50代にとって、社会は受難のシステムである
人生、「出逢いがすべて」と感じています。
この連載を読んでくださったあなたは、「理想の50代以降」を送りたいと願うと同時に、徐々に忍び寄る危機に漠然とした不安も抱えているのではないでしょうか。
確かに50代は、人生の最大の分水嶺ともいえ、舵取りが難しい年代です。
50歳を過ぎる頃から潮流が激しくなるものです。
・責任ある大きな仕事を仕切る
・子供の教育の総仕上げ
・親の介護、看病、見送り
こういった大きなライフイベントが迫ってきます。
身を任せたままだと遭難してしまいます。
また、55歳くらいになると、仕事面でもこれまでとは違った変化が現れます。
・役職定年を迎える
・別会社へ転籍になる
・給与が3〜4割程度減らされる
・自分の部下が上司になる
こうして徐々に「助言とサポート」しか仕事がなくなるつらさに直面し、社内からもなにとはなしに「早く去ってもらいたい」という力学を感じるようになってきます。
会社をたんに給料を得るところと割り切っている人は耐えられますが、生きがい・働きがいを求めている人からすると、50代はとても受難な時期です。
そして、この受難の波は40代の人たちにも広がってきています
40代でこの本を手に取られたあなたにとっても他人事ではありません。
体力も落ちてくる、経済的な不安も増してくる、人付き合いにも疲れてくる。
悩み、苦しみ、くすぶることは仕方ありませんが、自分の中の希望、可能性、そしてあらたな選択肢を手に入れる行動変容が求められるのが50代です。
それはつまり、あなたの中に「再起する力」があるか、ということでもあります。
私は26歳で教育事業を起業して、約30年間「人間育成」に取り組んできました。
私自身が本当に未熟者でしたが、コツコツと続けてきたことによって、お蔭様で「人材育成のエキスパート」と呼ばれるようになり、多くの現場やたくさんの人と出逢うことができました。
そんな今だからこそ、50代で実る人・枯れる人という顕著な違いを感じています。
〝実る人〟の特徴として……
「エリート、金持ち、有名」ではなく、「いい人間関係、元気、心の平安」の3つのポイントの実現を挙げています。
枯れかけていた人が、この3つのギフトを手に入れることで、見事に実るケースをたくさん見てきました。
50代は人生のマネジメント次第で、今まで育てた果実を手にできる一番愉快な黄金期です。
そして、そのためには、人生の思考、感情、言葉、行動を自分で整えていくことが大切なのです。
松尾 一也
株式会社ルネッサンス・アイズ