※画像はイメージです/PIXTA

相続税の申告期限は、相続人が相続発生を知ってから10ヵ月以内とされていますが、そのあとに遺産を発見し、「どうすればいいのか……」と悩むケースも珍しくありません。そのようなときの対処法についてみていきます。

不動産、預貯金…本当に「修正申告」は必要?

新たに見つかった財産が不動産の場合は?

新たに見つかった財産が不動産の場合は、とにもかくにも自主的に修正申告をしましょう。納税者が自分で申告をするのではなく、土地評価をきちんとできる税理士に依頼することをお勧めします。

 

税務署が不動産を相続財産から見落とすことはありえませんし、不動産は一般的に相続税評価額も多額(数百万円~数千万円)となるため、相続税の課税漏れも多額となり、連動して相続税や罰金への影響も多額になりがちです。

 

納税者自身で修正申告をするのではなく、多少の報酬を払ってでも、土地の評価を適正に減額できる税理士に依頼した方が良いと思います。

新たに見つかった財産が預貯金や還付金の場合は?

当初申告していた相続財産の他に見つかった財産が、預貯金や還付金の場合はどうでしょうか?

 

不動産ほどではないでしょうが、税務署側が把握する可能性は高いかもしれません。たとえば数百万円、数千万円単位の預貯金が後から見つかった場合には、自主的に修正申告をするべきだと思います。

 

ただし、追加財産の評価額自体は明確なことが多いと思いますので、わざわざ税理士に報酬を支払って修正申告をしなくても、税務署に相談しながらご自身で修正申告をしても良いかもしれません。

少額な財産が見つかった場合は?

これが数百円、数千円単位の預貯金や還付金が後から見つかった場合は、いかがでしょうか? 原則どおりに考えれば、自主的に修正申告をすることになりますが、果たしてそこまでする必要がありますでしょうか?

 

道徳的な面は棚に置きまして、実務家の立場からの回答をしますと、自主的に修正申告をしても、税務署に指摘されてから修正申告をしても、加算税や延滞税に違いが無いのであれば、無理に自主的に事務的負担や金銭的負担を背負って修正申告をする必要は無いと考えます。税理士へ追加で報酬を払ってでもやるべきことなのかどうか、今一度、冷静にご検討いただいたほうが良いかもしれません。

 

加算税は5,000円未満であるときは、その全額が切り捨てられます。仮に40万円の追加財産が見つかった場合、相続税の限界税率が10%であれば、追加でかかる相続税は40万円×10%=4万円です。この4万円に対する過少申告加算税は、4,000円(4万円の10%)です。となると、加算税は全額が切り捨てとなります。

 

修正申告や更正の請求を行う前に、まずは税理士にご相談をし、冷静な判断をしていただくことが重要だと思います。

 

天満 亮

税理士法人ブライト相続

 

 

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