リフォーム・リノベで問題が起きやすい「隣との間」
戸建住宅の場合、民法では隣地から50センチ以上離れないといけないことになっていますが、昔の建物は境界ギリギリに建っているものもあります。
お隣さんが親から家を引き継ぎ、今更そのことに文句をつけ裁判に持ち込まれてしまったというケースも耳にしたことがある、非常に繊細な問題です。
また、隣と接している壁を補修しようとした時、お隣さんに「1ミリも入ってくるな」と言われてしまって補修できないことも……。近所への挨拶やリサーチは大事ですね。
特に増築をする場合は、必ず隣地との兼ね合いを考えて行うこと、事前にお伺いをたてることをおすすめします。
困った隣人たち
都心部は土地代が高いため、建蔽率や容積率ぎりぎりで建てたいのがお客様の心情です。請け負ったある工事でも、ぎりぎりの面積で確認申請を通しました。
しかし建築途中、裏の土地を買った方が数カ月遅れて新築を建てることに。しばらくして、クレームをつけ始めました。
ギリギリにしてもらっては困る、バルコニーを下げてほしいという隣人の要望をお客さんと協議した結果、近隣でもめたくないとのことでしたので、一度完成したバルコニーを解体し、再度役所と協議して造り直しをしました。
また、別の新築現場では裏の家から「建物が高すぎる」とのクレームが入りました。これはあきらかに言いがかりであったので、菓子折りを持参して説明にあがりお話を伺いました。
その家は平屋だったため、日が当たらない場所が出てきてしまったとのことです。着工前にも説明には伺っているのですが、建ってからこういったクレームが出ることも。
また、ちょっと変わり者の近所でも有名な隣人がいたお宅での工事のこと。工事に入る前にお隣にご挨拶に行くと、こんこんと注意事項を説明され、さらに工事中はカーテンの隙間から作業内容を細かにチェック。
足場材料を運んだり組み立てたりの作業だったので、長いものを運ぶ際に敷地ぎりぎりを通過することも。ほんの一瞬でもお隣の敷地に入りそうになれば大声でクレームをつけてきます。職人さんは連日ひやひやです。
また、以前新築をした別のお客様のお話。「隣に新しく住宅が建つんです。困ったことに、窓を開けるとすぐ前には、キッチンの換気扇の排気口。すごいストレスなんですがどうしたらいいですか」という相談が入りました。
建築途中だったため、隣の建築屋さんに正直に話し、誠意ある対応をお願いするというアドバイスをさせていただきました。
近隣の目はシビアで、自分のテリトリーを脅かす厄介者という感覚や、新築住宅に対するやっかみを持つ方も少なくありません。より繊細な近隣対策が必須です。
寺田 勤江
株式会社ワンダフル代表
二級建築士・公認インテリアコーディネーター
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】