住宅のお手入れ工事が終わってからが本当の付き合い
体のメンテナンスと同じように、家もメンテナンスが必要です。定期的にメンテナンスしていくことが、家を長持ちさせる秘訣です。「家」には、いつどうやって建てられたのか、どうやって住まわれ、どうやってメンテナンスされてきたのか、一軒一軒ストーリーがあるのです。
そのストーリーを読み解き、適切な時期に適切なメンテナンスをアドバイスくれる専門家を「ホームドクター」と呼んだりしていますね。
昔は、地元の工務店がその地域一帯のホームドクターの役目を担っていました。家の悩みを相談すればすぐに対応してくれて、情報は頭の中に全部記憶されているので図面を残していないなんてことも。
しかし大工さんの高齢化や世代交代によりそういった文化は廃れていき、ネットで知った建築屋さんにその場一回限りの工事を依頼しているのが現状の大半です。
本来はリフォームやリノベーション完成後も工事を担当した建築屋さんにホームドクターを務めてもらうのが理想です。その工事のことをよく知っているのは、やはり担当した建築屋さんだからです。ですから工事が終わってからが建築屋さんとの本当の意味での付き合いがスタートするのではないかと思うんです。ホームドクターとして負う責任は重いのです。
では、点検サイクルの目安はどのくらいでしょうか。場所ごとにあげていきます。
●外壁・屋根
メンテナンス時期:10年~15年
腹積もり費用:外装100万円~200万円(塗装グレード、面積、工法による)
屋根50万円~
チェックポイント:ヒビ・塗装劣化・破損などチェック
戸建住宅の場合は、自分で外壁・屋根のメンテナンスをしなくてはいけません。外壁は、ヒビが入っていたり、窓などのサッシ回りのゴムがやせてカチカチになっていたりしたら、メンテナンスが必要です。
また、壁を手でこすってみて白く粉がついたら、それは白化現象といって塗装が機能していない状態です。防水処理は10年でかなり劣化し、雨漏りにつながります。
注意していただきたいのは、面によって劣化状況が異なるということ。じめじめした北面はカビが生じやすく、紫外線が多く当たる面では、ゴム状の目地シール(コーキング材)の劣化が早いのです。
タイルの張ってある外壁は、固いものでタイルを叩いてみると、浮いているタイルは軽い音がします。お風呂などの壁に張ってあるタイルも同じように調べることができます。
外壁の修繕は足場を組む必要があるので、同じように足場が必要な屋根と同時にメンテナンスをすると、余計な費用がかかりませんので、セットで行うことをおすすめします。
●基礎・構造体
頻度を増す異常気象、頻発する地震。家にとっては軽視できない災害が増えている昨今、家自体がしっかりしているのか、心配ですよね。基礎部分のヒビや家の傾きなど、以前に増して気に掛ける習慣が大切です。
床下については、シロアリという厄介者が現れます。床下の換気については、特に気をつけていただきたいところ。床下に開いた換気口を、物でふさがないようにする気遣いが必要です。
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