高い給料を支払い、しっかり働いてもらう
1番大きな経費。それは人件費です。同じ給与であれば、優秀な人材の方が組織にとって利益が大きいですし、ムダな人員を配置しちゃっているのであれば、適材適所に配置し直して、効果が大きく出るようにしなくてはいけません。社会の当たり前の常識ですよね。
僕は以前から思っているのですが、もっと世の中の歯科衛生士の数を増やすべきなんですね。そもそも、歯科衛生士学校を3年制にしたことが大きな間違いなんです。
もっともっとたくさんの歯科衛生士を増やして、優秀な人材を確保しやすくしてくれた方が、保険点数の交渉なんかするより、よほど医院にとっての利益も患者さんにとっての利益も上がるし、ストレスがないという現場の多くの声を無視してしまっているのです。
少し話がそれました。僕は人件費を削る必要はないと思います。
高い給料を払うなら、スタッフをちゃんと教育してしっかり働いてもらいましょう。ちゃんと組織に利益を出して働ける人に高い給料が支払われるのは、当然の節理だと僕は思います。社会人の評価は給料と休暇だと思っています。
チームとして医院の利益に貢献できるスタッフが育つことが、大きなムダをはぶくことになり、ひいては経費の削減にもつながるのです。
人件費以外にもかかる経費はたくさんあるが…
経費がかかるものっていくつもあるので、僕の歯科医院では、歯科医院を経営していく上で何にどれぐらい経費がかかっているかということを、時々スタッフに講義をします。
1番かかっているのはもちろん人件費ですけど、人件費以外に何がかかっているかというのをいくつも羅列して、ここにもかかってる、これにもかかってる、イベントをしたらこれぐらいかかるとか、院長がスタッフをご飯に連れて行ったら、制服を買い換えたらこれぐらいかかるとか、これぐらいかかるとか、制服を買い替えるのにこれぐらいかかるとか、全部明らかにします。
面白い医院とかだと、1つ1つの機材に代金を貼っていくところもあります。これ15万円、これ20万とか。だから大事に使えよって。
何人に響いているかは実際分からないですけど、知る必要はあります。そして意識しないと、平気で材料をうっかり多めに使っちゃったりするんです。ちょっとでいい高い材料をドバッと出しちゃったり、こぼしちゃったりとかいうスタッフも中にはいるので、そこをおろそかにはできません。
そういう話は最初は院長がしなくちゃいけないんですが、この前はスタッフの1人が講義してくれました。「私たちスタッフは毎年昇給をしていくから、医院の利益も毎年上げていかないと昇給している意味がないでしょう」なんて話までしてくれていました。諦めずに教育を続けていくと、分かってくれるスタッフは、驚くほど成長してくれます。