※画像はイメージです/PIXTA

自身の資産の管理を目的に設立される資産管理会社。事業活動は行わず、多額の不動産を保有する富裕層の相続対策に活用されています。個人で不動産を保有する場合に比べて税制上のメリットがある一方で、会社を維持する手間やコストがかかるなどデメリットもあります。見ていきましょう。

資産規模が小さければ他の方法で節税できる

資産管理会社を使う相続対策で効果をあげるには、多額の不動産を保有していなければなりません。実際に資産管理会社を設立して効果をあげている人を見ると、少なくとも5億円程度は資産を保有しているようです。

 

資産規模が小さく資産管理会社を設立するほどでもない場合は、相続税の小規模宅地等の特例を適用することで相続税を節税することができます。

 

小規模宅地等の特例は、自宅や事業用の宅地の評価額を最大80%減額できる特例です。減額の割合は50%にとどまりますが、賃貸物件にも適用できます。

 

このほか、かつては一般社団法人を使った相続税対策が行われていました。

 

オーナーが一般社団法人を設立して資産を移せば、相続税を負担せずに遺産を承継できたというものです。簡単にできる相続税対策として広まりつつありましたが、税制改正によってすでに節税はできなくなっています。

資産管理会社設立前にしっかりと検討を

以上、資産管理会社を使う相続対策についてご紹介しました。

 

資産管理会社を設立すると、個人で不動産を保有する場合に比べて財産の蓄積を抑えて、家族に所得を分散させることができます。相続税の財産評価も有利になるなど税制上のメリットが大きく、資産規模の大きな富裕層であればぜひ考えたい対策です。

 

資産管理会社を活用する相続対策は、相続や税制、富裕層の資産管理に詳しい専門家のアドバイスを受けて実行する必要があります。信頼できる専門家に相談して検討することをおすすめします。

 

また、資産規模や種類によっては資産管理会社を設立するよりも最適な対策方法が存在する場合もあるので、専門家に相続対策の目的を伝えながら最適な方法を見つけていく必要があるでしょう。

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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