(※画像はイメージです/PIXTA)

資産形成をしていくうえで、医師のような多忙な人向きといわれる不動産投資ですが、本質的には楽ではありません。ざまざまな管理業務が存在しています。それにもかかわらず、なぜ不動産投資は多忙な人向けなのでしょうか。実は、不動産投資には切っても切れないパートナーが存在するからなのです。

不動産管理に関するさまざまな業務とは

一口に不動産オーナーといっても、マンション経営という言葉があるように、やらなければいけない業務は多岐にわたっています。一般的にマンションの管理業務を考えた場合、その建物まわりの清掃のような日常的なメンテナンスを想像されることが多いようです。そうしたことも大切なのですが、できるだけ空室を出さないようにすることや出た場合の入居者の募集活動なども業務のひとつなのです。

 

賃貸物件では、いったん空室になってしまうと、次の入居者を見つけるために多大な労力とコストがかかります。資産形成目的で始めたにもかかわらず、いきなり支出の話では本末転倒ですよね。それゆえ経営という言葉になってくるのですが、他にもまだまだやらなければいけないことはたくさんあるのです。副業的に始めようと思った方が思わず尻込みしたくなるようなその内容とは、次のようなものが主だったことになってきます。

 

■入居者の募集

ワンルームや一戸建てのオーナーにせよ、マンションを一棟所有しているにせよ、入居者がいなければ集積は発生しません。そのため、入居者募集の広告作成、チラシやサイトへの出稿、周辺不動産会社への情報提供、物件の案内などをする必要があります。

 

■契約業務

入居希望者に対して、家賃を支払う能力の有無など入居者審査が必要になります。また、賃貸契約内容の説明(要資格)や契約金の受領、鍵の引渡しなどもやらなければいけない業務です。

 

■入居者管理

契約後も入居時の立ち会いから家賃の集金、家賃滞納者がいればその人への督促、また近隣や隣室からのクレーム処理、モラルのない入居者への対応、設備の故障・修理への対応、緊急時の対応、鍵の保管なども必要になってきます。

 

■清掃や除草

物件自体をきれいに保つのはオーナーの仕事。外構・外装・敷地内の清掃から除草や植栽までしなければ、場合によってはその建物の寿命を縮めてしまうこともあるのです。

 

■建物・設備のメンテナンス

建物自体の寿命にかかわる業務です。定期点検を行い、破損個所の補修だけではなく、大規模改修が必要なら専門業者の手配もしなければなりません。

 

■契約更新・改定業務

賃貸には契約満了時に更新をする普通借家契約と、期間を定めて更新のない定期借家契約の2種類の契約があり、一般的には前者のことが多いです。普通借家契約の場合、契約更新手続きや賃貸条件の改定が発生します。

 

■解約業務

部屋を借りていた人が何らかの理由で退去する場合には、退去までの注意事項説明や敷金の精算、退去立ち会い、鍵の回収、精算書の作成をしなければなりません。

 

■リフォーム

空室になったら、次の住まい手のためにリフォームを計画し、工事の手配や立ち会いをしなければいけません。

 

■収支表の作成

収益を管理するためには、毎月・毎年の収支表が必要不可欠。こうした書類作成もオーナーがすべき業務になってきます。

オーナーと管理会社は「持ちつ持たれつ」の関係

本業の片手間でできればいいと思っていた投資にもかかわらず、これだけ盛り沢山な業務がある。それなのに、なぜ不動産投資は多忙の方向け、というキャッチで語られるのでしょうか。そこには、不動産管理会社という存在があるからなのです。

 

部屋を貸していれば、さまざまな入居者がいます。そのすべてがいい人なら別ですが、なかには近隣とのトラブルに発展するような癖の強い人だっているのです。そういうときの対応は非常に時間も手間もかかります。また、入居者だって人ですから、突然死や孤独死という災難に見舞われることもあります。このようなトラブルが起きたとき、その道のプロでなければお手上げというのが現実でしょう。

 

不動産管理会社というのは、こうしたケースでの対応はもちろん、前述した業務も代行管理してくれるビジネスパートナーなのです。不動産投資が多忙の方向け、という言葉の裏には、この不動産管理会社とのビジネスタッグがあってこそ、成り立つものなのです。

 

このタッグはWIN-WINの関係で成り立っています。管理を依頼するということは、当然、費用が発生してきます。前述の業務内容を考えた場合、オーナーの立場であればどのくらいの金額がかかると想像されるでしょうか。一般的に管理手数料というのは、家賃の5~7%程度が相場になっています。たとえばマンションを一棟所有しており、戸数は30戸だったとします。家賃平均が月に10万円だった場合、毎月の収入は300万円。この場合、管理手数料は15~21万円となります。つまり、30戸分の業務内容をこの金額で依頼できる、ということになります。社員の給料程度の月額であり、300万円の売り上げに対してこの程度の出費であれば、費用対効果は高い、と判断できるのではないでしょうか。

 

もちろん管理会社にしても、固定給ではないので懸命に代行してくれることになります。30戸のうち10戸が空室だとすると手数料の取れる部屋は20戸。オーナーから支払われる管理会社への費用は10~14万円にダウンしてしまうのです。空室分の手数料が入らないのは、管理会社にとっても損失となります。そのため、空室を出さないための活動や募集を行ってくれるわけです。ちなみに広告などにかかるコストはオーナー負担。このように持ちつ持たれつの関係にある、ビジネスパートナーが不動産管理会社なのです。

 

不動産管理会社との契約にはいくつか種類がありますので、そのときの状況など自分にマッチするものを選択するのがいいでしょう。いずれにしても、数ある不動産管理会社のなかからここだという会社をビジネスパートナーとして選定したとき、不動産投資は多忙な人向けのものへと変貌するのは間違いないですね。
 

 

 

 

 

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