高値更新の米国株式市場
ジャクソンホール会議を無難に乗り切る
■27日の米国株式市場は、ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演内容が、ハト派姿勢であったことで安心感が広がり、堅調となりました。S&P500種指数、NASDAQ総合指数が最高値を更新しました。
業績か金融緩和持続か
堅調な小型株とグロース株優位
■先週の株式市場は2つの特徴的な動きがありました。1つ目は、ラッセル2000が前週比+5.1%、S&P小型株600指数が同+4.1%など小型株が堅調だったことです。2つ目は、実質金利が低下し、グロース株が再び優位となったことです。小型のグロース株もありますが、あえて区分すると、小型株の上昇は景気(業績)回復期待であり、グロース/バリュー比率の上昇は金融緩和持続に対する期待の強さと見ることができます。
今後のドライバーは次第に業績へシフトし、堅調持続
■今後、米国株式市場は景気と金融緩和維持のどちらがドライバーとなるのでしょうか。株式と業績、株式と債券価格の相関係数は、いずれもプラスの水準にあります。債券価格とのプラスの相関が強まれば金融相場、業績とのプラスの相関が強まれば業績相場です。現在は、足元の数値はともに小さく、強い関係は認められないものの、両方ともプラス圏に位置するという珍しい局面です。
■今後の金融・経済の正常化の流れから判断すると、現在は、債券価格との相関がマイナスに転換(債券相場が下落し、株式市場が上昇)し、業績とのプラスの相関が強まる局面へ移行する狭間にあると思われます。雇用統計の堅調さが続き、量的緩和の縮小(テーパリング)開始の足音が近づいてくれば、株式市場のドライバーは次第に業績へシフトすると考えられます。米国株式市場は、業績主導で堅調な地合いを持続すると予想されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『業績相場と金融相場の狭間にある米国株式市場』を参照)。
(2021年9月1日)
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