(画像はイメージです/PIXTA)

中国の新彊ウイグル問題は、米国務省がジェノサイド認定を行ったほか、2021年6月の国連人権理事会でも、カナダが44ヵ国を代表して「非人道的行為」として対中非難共同声明を出すなど、国際的に注視されている。一方の中国は激しく反発するが、欧米からの非難に相当神経質な様子だ。この問題の実態を掴むのは容易ではないが、表面からはうかがえない、複雑な側面に留意が必要である。本稿は筆者が個人的にまとめた分析・見解である。

新疆ウイグル問題、国際的にも大きな焦点に

米国務省が2021年3月に公表した「2020年国別人権報告書」で、新彊ウイグル自治区(以下、自治区)でジェノサイドが行われていると断定したことに世界は衝撃を受けた。米国は7月に公表した各国の人身売買に関する報告書でも、自治区で強制労働などの迫害が行われていると非難し、3つのカテゴリーのうち、中国を最も状況が深刻だとする第3カテゴリーに分類(同カテゴリーにはその他、北朝鮮、イラン、シリア、ロシア、ミャンマーなど、評価対象188の国・地域のうち17が分類されている)。さらに7月、国務省は議会に提出した年次報告書でも改めてジェノサイド認定をした。

 

米国のみならず、6月に英国で開催されたG7のコミュニケは、「グローバルな責任及び国際的な行動」の文脈で、「特に新彊や香港との関係で人権や基本的自由を尊重するよう中国に求めることを含め、G7の価値を推進していく」とうたい、同月開かれた国連人権理事会では、カナダが44ヵ国を代表して、「信頼できる報告によると(筆者注:具体的になにかは不明)、新疆では百万人を超える人々が恣意的に拘留され(arbitrary detention)、ウイグル人やその他の少数民族が特に広範な監視を受け、その基本的自由やウイグル文化が制限を受けており……(中略)……非人道的行為が行われている」とする対中非難共同声明を読み上げるなど、国際的にも新疆ウイグル問題が大きな焦点になっている。

 

(注・出所)中国政府網「中華人民共和国行政区画」より転載、筆者作成。 したがって、中国政府が領有権を主張する地域が含まれている。
[図表]中国行政区画 (注・出所)中国政府網「中華人民共和国行政区画」より転載、筆者作成。
したがって、中国政府が領有権を主張する地域が含まれている。

 

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