競合物件、劣化・・・資産価値はどんどん下がっていく
当初は入居率100%だった優良マンションが、年月が経つにつれて、空室率が徐々に高くなっていき、家賃を下げざるを得なくなる状況に陥ることがあります。周囲に魅力的な新築物件が競合として現れたような場合などは、ことにそうなるおそれが強いでしょう。
また、基本的に建物は古くなればなるほど、劣化していき資産価値が下がっていくものです。
長期的なスパンで行う不動産投資では、このようなリスクを想定して、入居率や家賃の低下、建物自体の劣化を食い止めるための方策が求められることになります。
その大きな柱となるのは、定期的なメンテナンスやリフォームなどの維持管理です。世の中には、たとえば築年数は同じ5年でも、築1~2年程度にしか見えない物件もあれば、10年くらい経っているように見える物件もあります。
そうした物件の見た目の印象を大きく左右している要因も、建物の維持管理の巧拙にあるのです。
メンテナンスやリフォームは収益安定のために不可欠
「高い実質利回りを維持するためには、メンテナンスやリフォームのコストをできるだけかけない方がよいのでは」と思う人も、中にはいるかもしれません。
しかし長い目で見れば、適切なメンテナンスやリフォームを行い、入居者にとって居心地のよい快適な環境を保ち続けることが、より多くの安定した収益を確保し、なおかつ物件の資産価値を守るためのベストの方法なのです。
そのため、筆者のような不動産プロデュースに携わる者たちは、経年老化しづらい建物をテーマに日々マンションづくりをしています。