相続で貧乏になるのは相続税が原因
相続で貧乏になってしまうのは相続税の納付が原因です。
相続税は、相続する資産の金額が基礎控除額以上(3,000万円+法定相続人1人につき600万円)の場合にかかります。税率は10%~55%の累進課税で、相続する資産が多い人ほど相続税の負担が重くなります。
そのため、相続する資産が多い場合には、事前に相続税の計算などをしておき、相続税を支払う準備をしておいた方が安心といえるでしょう。
相続で貧乏になってしまうケース
相続で現金を引き継ぐ場合には、引き継いだ現金から相続税の納付ができます。
相続税の支払いにより、引き継ぐ金額は目減りしても、もともと持っていた資産から捻出して現金を用意する必要はありません。
しかし、現金以外の資産を引き継ぐ場合には手持ち現金から納税する必要があります。そのため、財産を引き継いだとしても「貧乏になった」と感じてしまうのです。
具体的にどのようなケースで貧乏になったと感じてしまうのかを紹介します。
■相続財産のほとんどが処分できない不動産のケース
相続財産のほとんどが処分できない不動産の場合、手持ちの現金から相続税を支払う必要が出てきます。その結果、不動産という資産を引き継ぐことができても手持ち現金が減り貧乏になったと感じるでしょう。
例えば「景気が悪いので、売却したい値段で売れるのをしばらく待ちたい」「思い出がある実家なのでしばらくはそのままにしたい」という場合には一旦相続することになります。不動産しか相続できずに自分の元々の資産から相続税を納付することになれば、相続税の負担が重いと感じてしまうでしょう。
■事業承継で自社株(非上場株式)を相続するケース
被相続人が経営者の場合には、自社株(非上場株式)を相続することもあります。
最近では後継者不足の問題で経営者の年齢も高齢化して、事業承継を後回しにしている企業も多いです。急に自社株を相続することになった後継者や相続人が、相続税の金額が大きすぎてびっくりするケースもあるでしょう。
なぜなら、相続税は自社株の額面ではなく評価額に対して課せられるからです。事業規模はそこまで大きくなくても、業績が好調で資産が多い企業の場合、自社株の評価額が想定以上に高くなっていることもあります。
自社株は換金性に乏しい資産です。生前に贈与や譲渡など事業承継対策を進めていれば良いですが、経営者が突然亡くなった場合には、後継者や相続人が多額の相続税を支払う可能性があるでしょう。
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