※画像はイメージです/PIXTA

争族、離婚トラブル、労働問題…弁護士事務所には今日も様々な相談が舞い込みます。本連載では、弁護士法人アズバーズ代表の櫻井俊宏氏が、実際に寄せられたトラブル事例を紹介し、具体的な対策を解説します。※プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

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モンスタークレーマーから「毎日のように電話」

1 モンスタークレーマーが来た!

 

ジーンズを買った客Aから、1ヵ月後に店舗(大阪支店)に連絡が来ました。電話を取るやいなや「サイズが全然違う! 合うものと取り換えろ」と急に怒鳴ってきました。声を聞くに、中年男性、40代~50代ぐらいの方のようでした。

 

念のため監視カメラを見返しどの方かを確認したところ、Aと思われる客はその場で試着してから購入していました(のちに接客をしたバイトにも確認しましたが「このサイズで大丈夫」と言っていたそうです)。何より1ヵ月も経っていますし、「お客様、申し訳ありませんがそのような取り扱いは致しかねます」と伝えました。

 

この言葉に、Aはさらにキレたようでした。

 

その後「ジーンズに傷があったんだよ」「謝ったよな? お前、責任を認めたんだろ」「ちゃんと謝罪に来い!」などとよくわからないことを言い出すので、私は録音をセットしました。電話は45分以上続き、業務に支障が出ると感じたため「すみません、ほかのお客様がいらっしゃったので切らせていただきます」と伝え、電話を切りました。

 

しかし、その後もAから毎日のように電話が来ます。私のいない日には直接店舗に来たそうです。しかも女性従業員が粘着質な話に付き合わされ、雰囲気の悪さを感じたほかのお客様がみんな帰ってしまったそうです。

 

さすがに自分たちの手に負えないと思い、法務部の方から顧問の弁護士に相談してもらいました。

 

顧問の弁護士からAに電話を入れ、「今後、この件については当職らに連絡してください」と伝えました。それ以降、Aからは一切連絡が来なくなりました。

 

2 クレームというものの持つ意味

 

クレームは法人にとって重要なものです。正当なクレームには企業の問題点や向上のヒントが詰まっています。また、クレームに丁寧に対応すると以前よりも企業のイメージがよくなることが往々にしてあります。

 

次ページクレーマーに備え「告知せず録音」しても大丈夫?

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