「好きだから働きたい」と思って働いている
「私はこのホテルか好きだから、このホテルに泊まりに来たお客様に少しでも素敵な時間を提供したいと思っているのです。そうやって考えた末に自分が動いたことで、一人でも多くのお客様に、“このホテルに泊まって良かった!”と思ってもらいたいのです。そして、次にホテルを選ぶとき、前に泊まったとき、とても良くしてくれたから。あなたがいるからこのホテルにもう一度泊まりたかった。そう言ってもらえると、私は最高に幸せです。こんな気持ちを味わわせてくれるコンシェルジュという仕事を私は誇りに思っています!」
雷に打たれたような衝撃、というのはこのようなことを言うのだと思います。自分の考えが大きく間違っていると気がついた瞬間でもありました。
「そうか! 人気テーマパークで働いている人は、元々そのテーマパークが好きで、そこで働きたい!と思って働いているんだ! 高級ホテルで働いている人も、そのような高級ホテルで働いている自分を誇りに思っているんだ! 働いている人が、その施設のファンなんだ! だから、この施設の良さを皆に知ってもらいたい、自分の行動や提供するサービスでその施設の評判を下げるようなことはしたくない、そのような想いが根底にあるから素敵なサービスを提供することができるんだ!」と……。
この医院を好きなスタッフはひとりもいなかった…
一方で自分の医院で働いてくれているスタッフはどうだろう?ここの医院が好きから、ここの医院で働きたい!そう思ってくれている人は何人いるだろう。
おそらく、その時は一人もいなかったと思います。
なんとなく条件があったから。通勤しやすそうだったから。まだ新しく、設備とかが綺麗そうだったから。そんな感じだったと思います。
「素晴らしいサービスを提供するために、まずは自分の医院のスタッフをこの医院のファンにしよう!」
僕のベクトルが180度変わった瞬間でした。
それまでは僕は患者さんがどう受け取るか? 患者さんの評判はどうか?と患者さんの方ばかりを向いていました。
しかし、「まず目を向けなくてはならないのはスタッフ達だ!」ということに気がついたのです。スタッフが、「この医院で働きたい! この医院が提供する医療は素晴らしい!」だから、少しでも多くの人にこの医院の医療を受けてもらいたい! そう思ってもらえるように、スタッフ満足度を上げることから始めることにしました。