(※画像はイメージです/PIXTA)

東大受験を考えるうえで、もっとも基本かつ重要なのは「学習習慣」だという。意外にできていないのが毎日の勉強の習慣化。さらに「6年間で大学に合格する」というシンプルな目標から逆算して、勉強していけば東大合格も可能だという。※本連載は、和田秀樹氏の著書『公立・私立中堅校から東大に入る本』(大和書房、2019年2月刊)より一部を抜粋・再編集したものです。

「東大にあこがれさせる」こともかなり大事

■身近な人が合格したら「自分もできる」と思える

 

私の親戚に、兄弟3人とも東大に進学した家があります。

 

その家は、親の態度が常に傲慢で冷たかったこともあり、親戚中から「東大に入っても、性格が悪ければ意味がない」などと陰口をたたかれていました。いわば親戚中の鼻つまみ者だったのです。

 

ところが、私の両親だけはなぜか別でした。「やっぱり東大に入るなんてすごいな」と褒め続けていたのです。それを聞いて子どもだった私たち兄弟は素直に「東大ってすごいんだ」と思い、その後、自然と東大を目指すようにもなりました。一方で、悪口を言っていた親戚の家庭からは東大への進学者は出ませんでした。

 

同級生、先輩が東大合格したら「自分もできる」と実感できることは大切だという。(※写真はイメージです/PIXTA)
同級生、先輩が東大合格したら「自分もできる」と実感できることは大切だという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

今となっては、私の両親がなぜ、そうした態度をとっていたのかは不明です。

 

素直に賞賛していたのか、私たち兄弟をその気にさせるために演じていたのか、どちらかよくわかりません。ただ私たち兄弟が、東大にあこがれて、東大を目指した、というのは間違いのない事実です。

 

子どもに東大を目指してほしいのであれば、東大にあこがれさせるような環境作りを、親は意識してほしいと思います。

 

また、東大にあこがれるのと同時に、東大を「身近に感じる」というのも重要なポイントです。弟が東大に合格する姿を見て、同級生やたくさんの後輩が後に続いたというお話しをしました。私が灘校に進学して良かったと感じたのは、実際に近くで接して、アホに見えた先輩たちが東大に多数合格している姿を見て「自分も合格できる」という実感を持てたことでした。

 

しかも、卒業した先輩から東大生の日常についての情報もたくさん入っていたので、入学後の生活を想像することもできました。

 

たとえば、「理Ⅲに入れば、家庭教師の時給が5000円だ」などという情報を耳にしたことで、私は理Ⅲを目指す決意を新たにした記憶があります。なんとも現金な話ですが、意外にこういった要素が、受験を勝ち抜くときのモチベーションにつながるのです。

 

東京へ行く機会があったら、東大のキャンパスを歩いてみるのも有効です。「東大生を見たことがなかったけど、案外、普通なんだな」と知るだけでも大きな意味があります。

 

■まずは「勉強の習慣」を作る

 

東大受験を考えるうえで、もっとも基本かつ重要なのは「学習習慣」です。

 

当たり前のようでありながら、意外にできていないのが、毎日の学習習慣です。

 

歯みがきが習慣化されれば、歯をみがかないのがどうにも不快に感じます。入浴が習慣化している人は、入浴できないと不快に感じます。

 

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公立・私立中堅校から東大に入る本

公立・私立中堅校から東大に入る本

和田 秀樹

大和書房

教育書を多数執筆し、多くがベストセラーになっている実績をもつ和田秀樹氏の渾身の書。 2020年の入試改革への備えにもふれ、具体的なノウハウを数多く入れた。 いわゆる「地頭のいい子」でなくとも、東大を目指せる、合…

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