20年別居していた医師夫婦…妻に届いた「1通の手紙」の顛末 (※写真はイメージです/PIXTA)

沖縄で小さな診療所を経営し、診察にあたっている望月さんには、後悔がありました。それは、きちんと離婚せず、一方的に世田谷の自宅を飛び出してきてしまったことです。そのために、望月さんは、夫が亡くなったさいに「争族」に巻き込まれるはめになってしまいました。医師ゆえの多忙さにかまけてしまったその結末は…。

突然やってきた、別居中の夫の訃報

医師である望月さんは、沖縄に小さな診療所を開業して、はや20年。地元の人から信頼され、幸せな生活を送っていました。実は、望月さんは、20年前に夫と別居していますが、戸籍上まだ夫婦でした。望月さんの夫も医師。都内の大学病院に勤める勤務医で、生活のすれ違いから別居するようになり、子どももいなかったので、「戸籍なんかどうでもいい」と思い、籍を抜かないまま現在に至りました。

 

ある日、1通の手紙が届きました。それは、夫の姉からのもので、夫が亡くなったという内容のものでした。

 

望月さんは離婚をしていないために、法律上、相続人になります。望月さんには子どもがいませんので、法定相続の割合は、配偶者である望月さんが4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。亡夫の兄弟は義姉のほかに義弟がいましたが、一昨年、ガンで亡くなっているので、法定相続割合は、義姉が4分の1となります。亡夫の財産は、自宅の土地と建物、預貯金、生命保険です。

 

亡夫が被保険者になっていた生命保険の死亡時受取人は、妻である望月さんになっていたため、望月さんの銀行口座には、保険金として3,000万円が振り込まれていました。義姉は、生命保険のお金は、望月さんがもらってよいので、自宅や預貯金は放棄してほしいと言ってきました。

 

望月さんは、もともと、自分で生計を立てられる収入や財産は十分にあるので、義姉の要望を受け入れるのは、まったく問題はありませんでした。ただ、遺産分割協議の手続きをするために、東京に戻るのは気が思い、と感じていました。

血族でない亡弟の妻が大暴れし、ドロ沼に

遺産分割協議の話し合いに行こうとしていた矢先、義姉から再度連絡がきました。調べたところ、自宅の土地・建物は、亡夫の父親名義になっていた、というのです。義父は、亡夫・亡弟よりも先に他界しています。義母はさらに前に他界しています。本来は、亡夫と義姉、義弟が相続人ですが、2人亡くなっています。そうなると、相続人は次のようになります。

 

・亡夫の相続人…望月さん

・姉

・亡弟の相続人…亡弟の妻A、亡弟の長男B、亡弟の次男C、亡弟の長女D

 

自宅の法定相続人は、望月さん、義姉、A、B、C、D、6人だということが分かりました。

※亡弟は義父よりも後に亡くなっているため、一旦、 亡弟の妻A、亡弟の長男B、亡弟の次男C、亡弟の長女Dで相続しているために、今回は亡弟の妻Aも相続の対象となっています。

 

夫の訃報を聞いた翌月、望月さんは、亡夫を被相続人とした遺産分割協議と他界した義父名義になっていた自宅の名義変更手続きも行うために東京へ行きました。

 

話し合いの場では、Aさんが、自分も相続の権利があるのなら、まだ、独立していないDと2人で自宅に住みたい、それが無理なら、自宅を売却して、お金をもらいたいと言い出したのです。

 

 

不動産コラムニスト、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、家族信託コーディネーター®

日本女子大学卒。オフィスヨシイ 代表。現役で不動産取引も行う傍ら、不動産にまつわるコラムを執筆。賃貸、売買、用地仕入れ、不動産投資、不動産コンサルなど、不動産に関する業務を幅広く経験。実体験に基づく、地に足のついた、分かりやすいコラムが好評


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