投資信託「人気ランキング上位銘柄」の特徴
人気ランキング上位にあがる銘柄にはある特徴が存在します。それはその時代の流行商品が並ぶということです。日本における約20年の投資信託の歴史のなかで、常に人気ランキングの上位に存在し続けた投資信託はほぼありません。
過去に人気ランキング上位に並んだ商品を分析すると、「人気ランキング」と「運用成績」が結びついてないということがわかります。ラインナップはどうだったかというと、「毎月分配型」、「新興国関連」、「米国リート」、「ロボット関連」などあげればきりがありませんが、その時代で流行した商品が並びます。ではその後の運用成績はどうだったのでしょうか?
実際に購入した時期にもよりますが、お世辞にも継続して良い成績をあげ続けたものは多くはないといえます。これにはいくつか理由がありますが、多くは「人気上位に並ぶ≒既に人気化して価格が割高になっている」ということが最も大きい要因だと考えられます。
これを深く理解するには投資信託の販売構造をしっかりと理解することが必要になってくるので解説します。
投資信託には、実際に商品を販売する銀行や証券会社などの「販売会社」が存在します。当然のことながら売れる商品を企画・開発することが重要になってくるので、その時代で流行しているテーマや投資先を商品にするケースが非常に多くなってきます。
その為、短期的には人気化して販売ランキングの上位に並ぶのですが、既に人気化している投資対象であることが多く、成績はあまり奮わずという結果になります。
また最近の人気ランキングを見ると、「コストの安いインデックス型」が上位を占めていることが分かります。こちらに関しては、上記のような金融機関の販売方針によったものではなく、ある種の現在のトレンドともいえるのかもしれません。
ただし、インデックスだからという安易な気持ちでセレクトしてしまい、マーケットの下落によって大きなマイナスを被ることもあるので別の観点での注意も必要です。
一方で資産運用大国といわれる米国では、長期間で高い運用実績をあげ続けた商品が上位から順番に並んでいます。どちらが健全な人気ランキングかはいうまでもない所ですが、日本における人気ランキングからご自身にあった商品選びというのはなかなか難しいといえそうです。
投資信託は「人気ランキング」から選ぶべきなのか?
次は実際にご自身のライフプランにあてはめて、人気ランキングから投資信託商品を選択すべきかどうかをお伝えします。答えから先にお伝えすると、人気ランキングだけで商品選びを行うのは極力避けた方がよいといえるでしょう。
先程も述べたとおり、日本における人気ランキングは必ずしも過去の運用成績がベースにはなっておりません。もっといえば、投資対象やリスクの大小など様々な商品が混在します。
そんななかでこのわずかな商品群から商品選択を行ってしまった場合、ご自身の取るべきリスクなどと大きくかけ離れたものを選んでしまう可能性は高いといわざるをえません。
人気だからといって、安易に選択することなく、しっかりと商品内容を分析の上、投資するという基本スタイルはやはり崩すべきではないでしょう。
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