投資信託のメリット
投資信託の仕組みをご存知でしょうか。投資信託とは「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資・運用し、その運用成果を投資家に還元する仕組みの金融商品」です。
この投資信託の特徴は、4つのポイント(=メリット)でまとめられます。
1.少額から始められる
2.運用の専門家にお任せできる
3.分散投資でリスク軽減を図れる
4.個人で投資しにくい国や地域・資産に投資できる
■メリット1:少額から始められる
投資信託の取引単位は「口(くち)」数で、多くの投資信託が1万口当たりの金額(=基準価額)で表記されています。株式では100株単位なので、1株1,000円では10万円の資金が必要ですが、投資信託は100円から投資できるネット証券会社もあり、缶コーヒー1本買うような感覚で気軽に始められます。
また、毎月一定額ずつ投資信託を購入する「積立投資」を利用すれば、ライフプランに応じて柔軟に資産形成を図れるでしょう。
■メリット2:運用の専門家にお任せできる
投資といっても、株式や債券・不動産など投資対象が多岐にわたり、東証上場の企業数だけでも2,500社を超えるなかでは、投資ビギナーでなくとも投資先の選定に迷います。他の投資商品と投資信託を比較して、大きなメリットといえるのが、投資のプロ(ファンドマネージャー)に企業の選定を含めた運用を任せられることです。
また、投資信託は株式のように株価の変動を毎日気にして、一喜一憂する必要がないので、投資ビギナーだけでなく、お仕事を持っている人向きの商品といえるでしょう。言葉どおり「投資」をプロに「託す(=信託)」だけでなく、定期的に報告書やレポート等で運用状況が把握できるので、投資ビギナーには投資の勉強にもなります。
余談ですが、いつかは個人投資家に……という方は、プロのノウハウが勉強できる投資信託がよい勉強の場になるでしょう。
■メリット3:分散投資でリスク軽減を図れる
ひとつの銘柄に集中投資した場合、万一、破綻すると価値がゼロになることも考えられます。投資にリスクはつきものですが、そのリスクを極力回避するために分散投資があります。その意味では、投資信託は、複数の資産を組み合わせて投資を行っているので、単一銘柄への投資と比較して、価格変動等のリスクを低く抑えることができます。
たとえば、組み入れている資産のひとつが大きく値下がりしても、他の資産によってカバーできる点が「分散投資」するメリットともいえます。また、積立投資であれば、毎月機械的にコツコツ投資するので、「時間の分散」が図られます。繰り返しになりますが、投資信託には「資産の分散」「国・地域の分散」「時間の分散」の3つの分散効果があることを覚えておきましょう。
■メリット4:個人で投資しにくい国や地域・資産に投資できる
たとえば、ベトナムやインドなどの株式を購入しようと思っても、情報が少ないうえ、日本では購入できない……ということがあります。このように、情報が少なくて購入しにくいような海外の株式・債券でも、ベトナムやインドなどを投資対象とした投資信託であれば購入可能です。
特に、情報が少ない地域の投資は、さまざまなリスクの見極めが難しいので、プロの目で分析し、複数銘柄が選定された投資信託は魅力です。
金融庁のデータ(2017年)によると、1996年からの20年間で米国の家計金融資産は3.32倍、日本の家計金融資産は1.54倍の増加にとどまります。また、日本は預金51%・投資18%、米国は預金13%・投資46%と、「家計金融資産」の比率が逆転しており、当初の保有資産を100万円した場合、その差は178万円。当初の保有資産1,000万円では、1,780万円もの格差にもなるのです。
とはいえ、つみたてNISAやiDeCoなどの非課税制度が誕生したおかげで、ようやく日本でも投資信託などの投資を始める人が増えつつあります。
その一方で、正しい投資の知識がないと「相場が下がって怖い。」という感情に左右され、投資を止めてしまうこともあります。運用のプロにお任せできるとはいえ、ある程度の投資の知識は必要でしょう。それでも自力では不安と思われた方は、FP・IFAなど専門家への相談をお薦めします。