(※画像はイメージです/PIXTA)

証券銀行に口座を開設する際、「一般口座」「特定口座」を選択する必要がありますが、十分な知識がない状態で選んでしまうと、本来不要な手続きが必要になってしまうこともあります。それぞれの特徴を知り、自分に合った口座を選択することが重要だといえるでしょう。本記事では、一般口座と特定口座の違いを解説していきます。

「一般口座」と「特定口座」の違いは?

一般口座と特定口座は、株式を売買している段階では特に大きな違いはありません。どちらの口座タイプであっても購入可能な株式銘柄には違いがありませんし、口座タイプが異なることで取引時間が制限されるといったこともありません。

 

2つの口座の違いは、収益に対する課税や納税方法のみです。

 

2003年に新たに導入された特定口座では、投資家が行うべき確定申告を証券会社が手伝ってくれます。特定口座の源泉徴収ありを選ぶと、確定申告そのものを行う必要がなくなります。

 

また、源泉徴収なしを選択すると、確定申告は自ら行う必要がありますが、年間取引報告書を証券会社が作成してくれるため、確定申告の手続きが非常に簡単になります。

 

裏を返せば、一般口座で株式の売買を行った場合には、投資家が自ら年間の取引に関する情報をまとめて収支を計算し、確定申告をしなければなりません。

一般口座での売却後の手続き

一般的には、所得税の計算方法は複雑であるため、できれば特定口座を利用することで確定申告をしないで済ませるほうが便利です。

 

しかし、はじめての口座開設で一般口座を選択してしまった方、ご自身で確定申告をしてみたいと考えている方は、株式の売却によって得られた収益について確定申告をしなければなりません。

 

一般口座での取引であっても、毎回の取引後に手続きをする費用はなく、毎年の取引をまとめて確定申告を行います。

 

1年間の取引を振り返って、株式の売却によって生じた収益を計算します。株式投資による収益は、売買で生じた差額から売買手数料などの経費を引いたものです。

 

なお、株式投資の勉強のために購入した書籍やセミナー参加費、専門家へのアドバイス料や相談料などは、多くの場合には経費として認められません。

 

確定申告のための書類では「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」という株式取引のための専用の記入欄がありますので、ひとつひとつ丁寧に記入します。

少額の取引であれば確定申告が不要

一般口座での株式の売却では、特定口座での源泉徴収ありの取引とは異なり確定申告が必要ですが、2000万円以下の給与所得者・もしくは400万円以下の公的年金所得者で、給与所得以外の所得が合計20万円以下であるなど特定の条件を満たす場合には、確定申告不要となることがあります。

 

ただし、一般口座での利益が20万円未満であっても、雑所得や寄付金控除、医療費控除など他に申告する所得や控除項目がある場合にはやはり申告が必要です。

 

また、住民税に関しては別途申告が必要になることがあります。

過去3年で株式売買による損失があれば損益通算が可能

はじめて株式投資をされる方にとっては、証券や株式に関する用語は難しく、思いがけず一般口座を選択して取引をされている方も珍しくありません。

 

一般口座では、株式投資によって得られた利益をご自身で確定申告しなければなりません。ただし、給与などの所得が2000万円以下で、株式売却による利益が20万円未満の場合などは確定申告が不要です。

 

なお、数年にわたって株式取引をされている方で、過去3年間に株式売買による損失がある場合には、確定申告によって損益通算が可能です。

 

ただし、損益通算については、特定口座の源泉ありを選択していても確定申告をすることで対応できますので、やはり基本的には一般口座ではなく特定口座でお取引される方のメリットが大きいといえそうです。

 

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