そこには、面会室のテーブルを集めて、その上にノートパソコンや書類を広げるBさんの姿が。携帯電話で何かを話しながら、あたかも会社のように寝巻のまま仕事をしているのです。外で困った顔をしていた方の他にも、なかで座って話もできずに立ったまま面会されている方がいました。
面会室はすべての患者さんたちが共有して使う場所であること、仕事をするなとは言えないが、入院中は治療に専念してもらわないと困ること、会社からの命令であれば、休業することを理解してもらうことなどをBさんに伝えたそうです。幸い、Bさんも皆さんに申し訳なかったと謝罪をしてくれたのでそれで済んだそうですが、まさか面会室を占領されるとは思ってもみなかったそうです。
ほかにも、面会時間を過ぎてから病院にやってきて、子どもが生まれたのに何で会えないんだと警備員と押し問答をされる方や、退院のときになって費用が高いと事務の方を恫喝される方もいるそうです。
見舞いや面会に来られる方の都合もわかりますが、院内の規則は患者さんの治療を第一に考えられたもの。当然、入院されている患者さんだけではなく通院されている方にも守っていただかなければなりません。病院としては守らないので治療を拒否する、というわけにもいきませんから、こうした規則違反には手を焼いてしまうようです。
「困った患者さん」の傾向と対策は…
こういうときにはどのような対応がよい、という答えはないようで、その患者さんやケースにあわせたフレキシブルな対応が求められるのだとか。ただでさえ激務であることが想像される看護師さんなのに、こうした機転をきかせることも現場では求められているのですね。ただ、困った患者さんのなかには、たとえば昭和世代は逆ギレする傾向が強いなどある程度の傾向も見られるようで、そういうときには日ごろの会話などをヒントに対応を選択するそうです。
大切なことは、看護師さん自身も患者さんのことを、通院あるいは入院されているときにどれだけ見てるか、あるいは知っているかだということなのかもしれません。色んな患者さんに関わっていれば、だんだんこの患者さんはこう。みたいなのが見えてきたり、似たような患者さんでも違う対応が必要だったり、ということがわかるそう。
いずれにしても病院とは自信の健康を取り戻すために、医師や看護師さんの協力を得て治療をする場所です。そのことを第一に考え、せめて来院されたときは自分を抑えて治療に専念することが大切ですね。
※本記事で紹介されている事例はすべて、個人が特定されないよう変更を加えており、名前は仮名となっています。