7月のアジア・オセアニアリート市場はまちまち
2021年7月のアジア・オセアニアのリート市場は小幅に上昇しました。現地通貨ベースでみたアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)のリターンは+1.1%、シンガポールは+3.3%、香港は▲0.8%、オーストラリアは+0.5%でした。
■円ベースでみたアジア・パシフィック・リート指数(除く日本)のリターンは▲1.4%、シンガポールは+1.4%、香港は▲2.0%、オーストラリアは▲2.7%となり、為替効果はマイナスでした。
ワクチン接種進展によって行動制限は緩和も
■シンガポールリート市場は、ワクチン接種の着実な進展を受け、政府が感染抑制のための行動制限を段階的に緩和する方針を示したことから上昇しました。
■香港リート市場は、中国当局が不動産を含む幅広い業種への規制強化の姿勢を鮮明にしたことから下落しました。
■オーストラリアリート市場は、景気の回復基調が続く一方、長引くロックダウンを背景に配当計画を撤回するリートがみられるなど、一部銘柄で業績への不透明感が意識されたことから小幅な上昇にとどまりました。
経済再開期待から堅調な推移へ
■シンガポールリート市場は、ワクチン接種の進展により経済正常化期待が高まる展開を予想します。政府はワクチン接種完了者を対象に行動制限を緩和する方針を示しており、今後は都市部へ人流が戻るとともに国内景気の回復が期待されます。
■香港リート市場は、内需の回復とともに底堅い推移を想定します。政府は、9月末までに市民の70%がワクチン接種を完了することを目標として掲げています。ワクチン接種が進むことで中国との越境再開協議が進展すればポジティブです。
■オーストラリアリート市場は、良好なファンダメンタルズの下、底堅い推移を予想します。8月の金融政策決定会合では、量的緩和の縮小を予定通り開始する方針が示されました。今後も堅調な国内景気を背景に、業績の伸びが続くと見ています。
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(2021年8月11日)
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