雇用者数は94万人増
失業率は5.4%に低下
■米労働省が8月6日に発表した7月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月から94万人増加しました。87万人程度の増加を見込んでいた市場予想をやや上回りました。
■失業率は5.4%と、前月の5.9%から大きく低下しました。労働市場の回復は順調に進んでいます。
今後も雇用回復継続へ
回復阻害要因も解消に向かう
■米国では新型コロナウイルスのデルタ型の感染が広がっているものの、ワクチン接種が進展している上、ワクチンに重症化を防ぐ効果が見られていることから、経済再開の動きは続いています。バイデン政権による大型景気対策の効果もあらわれてきています。こうしたことから今後も雇用の回復は続くと見ています。
■対面サービス業や学校の再開が完全ではないこと、充実した失業給付が雇用増加を妨げる要因として指摘されています。ただ、こうした要因も徐々に解消に向かっています。
経済再開に伴い株高継続へ
■6日の米国株式市場で、NYダウは0.4%上昇し過去最高値を更新しました。堅調な景気、企業業績や、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和の縮小観測を市場が消化しつつあることなどが株高要因となっています。
■今後も経済再開の動きが続くことによって景気や企業業績が回復するに従い、株式市場も上昇基調を維持すると見ています。リスクとしては、デルタ型のさらなる感染拡大によって経済再開の動きが遅れることや、逆に経済再開の本格化によって早期の金融緩和縮小が改めて意識されることなどが挙げられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米雇用統計で雇用者数は94万人増』を参照)。
(2021年8月10日)
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