※画像はイメージです/PIXTA

相続の際、遺産分割の話がまとまらず、「とりあえず不動産を共有する」というケースは多いもの。しかしその後、トラブルに発展することは珍しくありません。そこで不動産の共有状態の解消方法について解説していきます。

「共有状態解消」の事例…兄妹で不動産を相続したが

以下は、相続でとりあえずの共有を選び、その後意見が分かれるも、うまく解決ができた事例です。

<基礎情報>

被相続人(亡くなった人):母

相続人:長男、長女 ※いずれも独身で母と同居をしていた

相続財産:自宅土地9,000万円、自宅家屋300万円、預貯金700万円

 

<遺産分割方法と相続税申告>

遺産総額(1億円)が基礎控除額4,200万円(3,000万円+600万円×2人)を超えるため相続税の申告が必要になるものの、土地については相続人いずれも同居親族につき小規模宅地等の特例により評価額が8割減額されることで、減額後の課税遺産総額が2,800万円(土地1,800万円※+家屋300万円+預貯金700万円)となり基礎控除額を下回ります。

 

そのため、申告期限である相続開始日後10ヵ月以内に遺産分割協議をまとめて申告をすることで納税額は発生しないこととなります。

※ 9,000万円×(1-0.8)=1,800万円

 

もし、10ヵ月以内に遺産分割がまとまらない場合には法定相続分(1/2)により相続したものとして仮申告の手続きが必要になりますが、仮申告の際は小規模宅地等の特例は適用できないため、770万円(1人385万円ずつ)の相続税をいったん納めなくてはなりません。

 

この770万円は、申告期限後3年以内に遺産分割がまとまり小規模宅地等の特例を適用した再度の申告手続き(更正の請求)を行うことで取り戻すことができますが、本事例では、相続後の使用や処分の方針について見通しが立てられなかったことや、仮の納税とはいえ770万円もの相続税を負担することを望まなかったため、平等に1/2ずつ相続するという遺産分割を確定し相続税の申告を行いました。

 

<相続後、長男・長女の間に生まれた考え方の違い>

相続の手続きを終えた2人でしたが、その後長男は相続した不動産にそのまま住み続けたいと考えたものの、長女の方は不動産を売却し別のところに住み替えたいと考えました。

 

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