株式投資の楽しみのひとつ、株主優待制度とは
預金をしてもお金は増えないという環境が長く続き、日本でも投資による資産形成が当たり前になってきました。勤務医や開業医、看護師など医療関係者においても同様のようで、2017年にm3.comが行った資産運用の意識調査では、約3割にのぼる人が株式投資を行っていると答えています。(出典元:m3.com意識調査「資産運用 どうしてる?」)
株主投資のリターンとしては売却益と配当の2つがありますが、ここ最近、株式投資の楽しみのひとつとして注目を集めているのが株主優待制度です。株主優待は株式を保有している株主に企業がお礼として任意で配る商品やサービスのこと。日本では上場企業の約半数が導入しており、最近は自社PRや安定株主の確保のため、内容を充実させている企業も少なくありません。
優待を受けられるのは、定められた「権利確定日」(株主優待や配当などの株主権利が確定される日のこと)の時点で、株主名簿に株主として記載されている人になります。ただし、株を購入してから実際に株主になるまでには2営業日かかるため、権利を得たい場合は「権利確定日」の2営業日前までに、必要な株式数を保有しておく必要があるのです。
高級ホテルや旅館の優待を使って賢くステイしよう
株主優待の種類は、銘柄によって金券やカタログギフト、飲食料品、日用品など多岐に渡りますが、旅行先でちょっとした贅沢を味わいたいときに便利なのが宿泊施設やホテルグループのもの。系列のホテル・宿泊施設を割引料金で利用できる宿泊券などが主で、なかには無料で宿泊できるものもあります。レストランでの飲食代、レジャー施設の利用料などの割引を受けられる場合もあるので、うまく組み合わせれば、出費を抑えつつより豪華な宿泊や食事、観光を楽しめることでしょう。
予算をそのままにワンランク上の部屋に宿泊してみたり、気になっていた高級ホテルを利用してみたりと、賢く旅先のホテルを楽しむことも可能です。例えば、ホテル椿山荘東京や箱根小涌園を筆頭に、ラグジュアリーホテルから高級旅館、ビジネスホテルまで展開している藤田観光が発行している株主優待券は、基本料金が50%(最大20,000円)引きになる宿泊券や、飲食料金が20%(最大10,000円)引きになる飲食券などとして利用できます。
また、大阪を代表する格調高い高級ホテルであり「大阪の迎賓館」とも呼ばれる「リーガロイヤルホテル大阪」を運営するロイヤルホテルでは、客室正規料金が50%引きになる宿泊優待券、飲食料金が20%引きになる飲食優待券などを発行しています。いずれも高級ホテルなどをお得な価格で体験できる、おすすめの株式優待です。
宿泊に加えて、交通費などでも得する株主優待もあります。ANAホールディングスの株主優待は、ANA国内線の搭乗優待券とANAグループ各社・提携ホテルなどで使える優待券冊子を発行しています。また、東急の株主優待は、東急線または東急バスで使える優待乗車証に加えて、東急ホテルズで使える宿泊割引券、東急百貨店などで使える買物割引券が発行されるので、様々な場面で活用することでしょう。
宿泊優待券は、使えるホテルや部屋などに制限を設けている場合や、混雑するシーズンによっては利用できない場合があります。また、保有している株数が増えることによって優待内容がより良くなる銘柄が多いので、一度利用してみて気に入った場合は株の買い増しを検討してみるのもいいかもしれません。