(※写真はイメージです/PIXTA)

「国際金融取引」とは何か、答えられますか? 老後に備えて、株式や債券、為替、商品などで資産形成・運用しようと考えている人も少なくないでしょう。これらの手段も国際金融取引の一例です。ビジネスにも個人の資産形成にも有用な「国際金融取引」の基礎知識を見ていきましょう。※本連載は、大村博氏の著書『Q&Aでサクサクわかる金融の世界』(ビジネス教育出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

国内取引とはまったく違う…国際金融取引の3つの特徴

Q2.「国内金融取引の特徴は、外国為替取引が不要なことと、国内銀行を統括する中央銀行が存在することです。それでは、国際金融取引の特徴は何でしょうか?」

 

⇒A. 国際金融取引の特徴は、3つあります。外国為替取引を伴うこと、各国の政策金利などを考慮する必要があること、そして世界全体の金融機関を統括する中央銀行が存在しないことです。

 

<解説>国際金融取引の特徴

①外国為替取引を伴うこと

国が違えば流通している通貨も異なるので、金融取引には外国為替取引を伴うのが一般的です。そのため、常に為替変動リスク(単に、為替リスク)を考えておく必要があります。もちろん国内で自国通貨を利用する場合は、為替相場の変動には無関係なので、その価値に変化はありません。しかし、自国通貨を外国通貨に変換して買い物や株取引などの金融取引を行う場合は、為替相場の変動によって金額が大きく異なることがあります。

 

②各国の政策金利などを考慮する必要がある

国が異なれば、大なり小なり、政治や経済の情勢も異なります。たとえば、インドやブラジル、アルゼンチン、トルコなど、経済基盤がぜい弱な新興国に投資する場合には、注意が必要です。それは、それほど経済に影響が出ないような事件が起きた場合でも、急激に通貨価値が下がったり、景気の急落が起こったりすることがあるからです。

 

また、どこの国でもそうですが、経済情勢に応じて、金融にかかわるコスト(金利負担)やリターン(儲け)が変わってきます。事実、日米欧の金利が超低金利にあるにもかかわらず、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカ共和国などでは、高金利状態が続いています。当然、それらの国の預金金利は日本より高く設定されています。

 

したがって、こうした国々の通貨に手持ち通貨を換えて預金すれば、為替リスクは伴うものの、金利面だけで考えれば、日本の銀行に預けておくより高い利率で預金することができます。

 

③世界全体の金融機関を統括する中央銀行は存在しない

国内金融には中央銀行がありますが、国際金融には世界の金融機関全体を統括するような単独の公的金融機関は存在しません。しかし、世界経済がこれだけグローバル化すると、ある国の大手金融機関の問題が、世界経済全体に大きな影響を与える可能性が十分考えられます。そうしたことから、様々なリスクを回避するために、世界の多くの国同士が一致協力して、G7(※注1)やG20(※注2)などを開催することで、リスク回避の話し合いを行っています。

 

※注1 日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダの主要7ヵ国グループの略称。または、その首脳たちの会議を指します。

※注2 G7や欧州連合(EU)、ロシア、新興経済国11ヵ国の国・地域からなるグループの略称。または、その首脳たちの会議を指します。

 

[図表2]G20参加国・地域の概要
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