(※写真はイメージです/PIXTA)

向井千秋さんといえば、アジア初の女性宇宙飛行士として有名ですが、彼女は医学博士の学位を持つ心臓外科医でもあります。そして向井さんは、かの石原裕次郎を手術した、心臓執刀医の1人でもあったのです。向井さんが石原裕次郎の受け持ち医になったのは、心臓外科医になって4年目のことでした。つまり、まだ医師として駆け出しの頃に、石原裕次郎の受け持ち医になったわけです。普通ならかなり緊張するはずですが、向井さんはいたって自然体だったようです。

帰還した向井さんの奇怪な行動

宇宙から無事帰還した向井さんは、ヒューストンの自宅で奇妙なことを始めました。握り寿司を手に取って皿の上に落としたり、雑誌のページをめくって、パラパラ落ちるのをじっと見つめていたりしているのです。15日間の無重力状態から解放された向井さんは、重力の存在に感動していたからでした。

 

私たちにとって、重力があるのは当たり前のことですが、無重力を経験した向井さんには、重力の不思議さやありがたさが、しみじみわかるのでしょう。

先に宇宙に興味を持ったのは夫

向井さん夫婦のうち、先に宇宙に興味を持ったのは、意外にも夫の万起男さんでした。子供の頃からガガーリンに憧れ、立花隆の「宇宙からの帰還」を繰り返し読んだそうです。しかも、出張先で急に読みたくなり、そのたびに買うので、同じ本が家に6冊もあるほどでした。

 

日本人宇宙飛行士募集の新聞記事を見た万起男さんは、医者を辞めることをためらいましたが、向井千秋さんは「宇宙から地球を見たい」と思って、即決したということです。向井さんの決断の早さを目の当たりにした万起男さんは、「世の中を変えるのは熟慮する人間ではないと痛感した」と語っています。確かに、向井さんが即決したことによって、アジア初の女性宇宙飛行士が誕生したのですから、万起男さんの言葉には妙に納得してしまいます。

中学から医師を目指す

群馬県館林市出身の向井さんは、館林北小から館林市立一中に進学しました。この頃から医師を志すようになり、東大の医学部を目指すため、難関校の日比谷高、雙葉高、慶應女子高を受けてすべて合格しました。向井さんは母親のすすめで、慶応女子高に進学します。

 

その後、慶應義塾大学医学部医学科に入学した向井さんは、練習が厳しいことで有名だった医学部スキー部に入部し、東日本医学部スキー大会の回転で優勝し、大回転では3位に入賞しました。ハードな宇宙飛行士の訓練に耐える芯の強さは、このスキー部で培われたものかもしれません。

アクティブな妻にマイペースな夫

向井千秋さんは、目標を決めると一直線に進んでいく性格のようです。これに対して、夫の万起男さんはどこか飄々としたイメージで、常にマイペースといった感じがします。

 

向井さんの宇宙での体験を、万起男さんがエッセーにつづった『君について行こう』シリーズが、ベストセラーになっています。万起男さんという理解ある夫がいたからこそ、向井さんは思い通りに、宇宙に羽ばたけたのかもしれません。

 

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