好かれる客、嫌われる客…サービスしたくなる人の特徴
建築屋さんや職人さんも人間です。やはり、サービスしたくなるお客様と、そうでないお客様がいるのです。
例えば、作業中の職人さんへの質問攻め。質問に時間が取られてしまうと、工程が大きく狂ってしまいます。
また、たまにいらっしゃるのが、工事に参加したがるお客様。正直、これはありがた迷惑である場合が大半です。
やはりそこはプロの仕事場ですので、常識ある行動を。特に配線や配管については、資格がなければお客様の参加はお断りしています。もし不備があり火事になったりすれば大変なことになってしまいますから。
最近特に多いなと感じることは、設備商品の値段をネットで調べるお客様です。ネットで安く買い、取り付け工事だけ依頼したいというリクエストもありますが、これはタブーです。壊れた場合に商品の故障なのか、工事のミスなのかの判別がつきません。保障の範囲があいまいになってしまうのです。
リフォーム・リノベーション工事は、基本的に責任施工。ネット金額を参考にすることは否定しませんが、値切る材料にすることは嫌われる行為だと感じます。
住まいながらのリフォームで意外と多いのが、工事する場所の荷物がそのまま置き去りになっていること。工程表の説明をする時に、お荷物の箱詰めと不用品の処分などをお願いします。箱詰めのお手伝いなどはさせていただきますが、貴重品には触れられません。
それなのに、整理ができていなくて、工事初日、職人さん総動員で箱詰め・荷物移動に時間が割かれ、結果初日は工事に入れないケースも実際にはあるのです。
ひどい時はその時にいるものいらないものの選別が始まってしまったり、「出かけてくるからあとはお願い!」とほったらかしにされたりすることも。
干した下着まで職人さんに片づけさせようとしたお客様もいてびっくりしたことを思い出します。こんな状態では、初日から工程が狂ってしまいます。
無茶なリクエストも困ってしまいます。
「黙っていればわからないから」と言って、法律に抵触する増築をオーダーされることがありますが、もしばれてしまえば建築屋さんは業務停止、悪質ならば解体命令が出ることもあるのです。
逆に、建築屋さんをリスペクトしてくれるお客様には、こちらも誠心誠意対応したくなるのは世の常人の常。
なぜか職人さんを下に見てくるお客様の多いこと…。アドバイスに耳を傾ける柔軟さを持つこと、知ったかぶりをせずに自分の希望を伝えること、ある程度のコミュニケーションをとることが大切です。
気持ちよく工事をさせてくれるお客様には、ちょっとしたサービスをしたくなるもの。職人さんも心ある人間ですから。
寺田 勤江
株式会社ワンダフル代表
二級建築士・公認インテリアコーディネーター
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