(※写真はイメージです/PIXTA)

ミスコンの審査では様々な美が求められる。「歯」の美しさ・健康もその一つだ。一方で昨今、そうしたルッキズムに対して風当たりが強いのも事実である。今回、ミスコン出場者の大会におけるサポートを行った経験がある持丸みずき歯科医師に当時の話を聞いた。ミスコンのサポートを通じて見えてきた日本人の歯に関する問題点、歯科医院の社会的課題とは。華やかなミスコンの舞台裏から見える、現代日本の医療の変わりゆく姿にせまる。

ステイホーム中に歯科矯正する女性たち

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、飛沫感染を心配して歯医者に行くのをためらった方もいたと思います。実際に、歯科医院としても緊急事態宣言中は健診などの緊急性が低い診療は控えて頂くようお願いしていました。

 

しかし、歯科治療が原因でコロナ感染が起こる可能性が非常に低いとわかってからは、患者さんが急増しました。在宅勤務になったことで時間に余裕ができ、歯のメンテナンスや、これまで放置していた歯の治療を再開させたいといった方が増えたのですね。

 

中でも、顕著に増加したのが、「マスク生活の間に歯並びを治したい」と矯正治療を希望される患者さんです。「誰とも会わないから、ネイル、まつエクのお金が浮いた分、矯正することにした!」という女性たちの言葉がとても印象に残っています。

 

もちろん、「歯を治さなくてはいけない」「治したい」という意識は元々多くの方の根底にあったのだと思います。ですが、実際に歯科医院に足を向かわせたのは、皮肉にも新型コロナウイルスによる生活環境の変化、意識の変化なのだと感じています。

 

きっかけはなんであれ、コロナウイルス終焉後、マスクを取り去った多くの方が美しい笑顔でほほ笑むことができる社会になることを期待しています。

低価格の矯正器具の開発も

最近のミスコンのサポート等の活動を通して、一番の課題として浮かんできたのは、小児期からのかかりつけ医の必要性と、幼少期からの口腔環境づくり大切さです。

 

そのための取り組みとして、矯正分野などにおいては、取り外し可能で虫歯になりにくい子供用マウスピース矯正インビザラインファーストというものを積極的に治療に取り入れてきました。

 

また、矯正治療は自由診療となることが多く、治療費が高額になることも問題の一つです。そうした問題の解決のため、現在、手頃な価格帯の矯正器具の製品開発も手掛けているところです。

 

歯の健康に関して幼少期からケアすることを「義務」ではなく、気持ちの良い行為であり、自分を高め、自分自身を大切にする行いなのだという意識が広まることを願っています。

 

今年7月、日本では1964年から57年ぶりとなる東京オリンピックが開催されました。ますます国際化していく社会の中で、日本人が自らの歯に、健康に、自分自身に自信をもって活躍できるよう、歯科医師としての活動を続けたいと思っています。

 

 

持丸みずき

医療法人社団 博結会理事長 歯科医師

 

 

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