(※写真はイメージです/PIXTA)

ミスコンの審査では様々な美が求められる。「歯」の美しさ・健康もその一つだ。一方で昨今、そうしたルッキズムに対して風当たりが強いのも事実である。今回、ミスコン出場者の大会におけるサポートを行った経験がある持丸みずき歯科医師に当時の話を聞いた。ミスコンのサポートを通じて見えてきた日本人の歯に関する問題点、歯科医院の社会的課題とは。華やかなミスコンの舞台裏から見える、現代日本の医療の変わりゆく姿にせまる。

「日本人は歯が悪い、汚い」と指摘され…

ミスコンに出場するためにあらゆる美を高めてきた彼女たちですが、なぜか歯に関するコンプレックスについては向き合ってきませんでした。それは、他の容姿、すなわち目鼻立ち、肌ケア、コスメなどに比べ、「歯」のプライオリティーが低かったからなのでしょう。そこに、日本人の歯に対する意識の問題が潜んでいると感じました。

 

例えば、欧米では白く輝く歯は美しさの条件と捉えられており、幼少期から歯列矯正を行うのが一般的です。それに対して、日本ではこれまで多少の歯列不正はあまり問題視されてきませんでした。それどころか、八重歯がチャームポイントとされる時代もありましたよね。

 

そのため、仕事や生活で欧米の方と接する患者さんは、口をそろえて「日本人は歯が悪い、汚い…」と言っていました。留学中や海外赴任時に、外国人から指摘されて初めて「恥ずかしい」と意識する人もおり、帰国後に治療したいと来院される患者さんも多くいます。

歯のかかりつけ医の必要性

そのように必要を感じて歯を綺麗にしようとしても、今度は、短期間で大きく歯を改善するのが困難であることや、歯科治療にかかる金銭的問題が立ちはだかってきます。

 

現在では、歯列不正によって歯周病・虫歯へのリスクが高まることが認知されはじめているため、幼少期から歯科矯正を始める患者さんも増加傾向にあります。ホワイトニングや、クリーニングにおいても、歯がきれいであることの重要性が浸透してきたためかなり一般的になってきました。このように少しずつですが、状況は改善されてきていると感じます。

 

歯の美しさ、健康は1日にして得られるものではありません。だからこそ、幼少期から歯を綺麗に保つための正しい知識、健康な歯であることの価値を教える教育の場が今後必要です。そのためには、学校での保健活動などに親子で参加する機会を設け、家庭での意識改革を行い、かかりつけ医を持つことが有効だと考えています。

 

 

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