(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査官には年間20件の「ノルマ」が課せられるといいます。本記事では、「調査ノルマ」など税務調査官の知られざる実態を見ていきます。※本連載は、石川博正氏の著書『税務調査で泣きをみないとっておきの知恵 ―税金を合法的に逃れる方法あります』(さくら舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

税務調査官が所属する「税務署」ってどんなところ?

ここでは、税務署についてちょっと見ておきましょう。

 

国の予算や会計などをおこなう財務省の元に、税金を扱う国の機関として国税庁が置かれています。その下には、札幌国税局、仙台国税局、関東信越国税局、東京国税局、名古屋国税局など12の国税局・国税事務所(沖縄)があります。この国税局・国税事務所に全国524の税務署がつらなっています。

 

税務署にはさまざまな部門がありますが、一般の人が関わるのは次の部門が多いでしょうか。

 

「法人課税部門」……中小企業を担当
「個人課税部門」……個人事業主を担当
「資産課税部門」……相続・贈与を担当
「徴収部門」……債権の回収を担当
「管理運営部門」……申告書の受け付け・作成方法の相談を担当

 

税務署の規模によってその数は違いますが、部門は複数に分かれています。個人課税第一部門、個人課税第二部門、個人課税第三部門……といった具合です。

 

それぞれの部門に「統括国税調査官」「上席国税調査官」「国税調査官」「事務官」がいます。統括は管理職、上席がベテラン、そのほかが中堅、若手です。

 

第一部門は管理部門で、税務調査に来ることは通常ありません。多くは第二部門以下の調査官、事務官が税務調査を担当します。

税理士の必需品『10年職歴』で税務調査官を想像できる

税務署員の採用には高卒枠と大卒枠があります。半数ほどが高卒でしょうか。税務調査には、高校を卒業してまだ数年のフレッシュな若者が来ることもあれば、定年退職直前の人が来ることもあります。男女比は男性のほうが多い印象ですが、女性の調査官もいます。

 

一般の方にはまったく必要のないものだと思いますが、税務調査に立ち会う税理士のなかでだけ、毎年ベストセラーになっている本があります。『10年職歴』(税経刊)です。

 

これは国税局とその管轄地域の税務署に勤務している職員の10年分の職歴を表にしたもので、『10年職歴 東京国税局・管内税務署 令和2年度版』などと、年度版で国税局ごとに分冊で刊行されています。税務調査官のフルネームや役職はもちろん、学歴、過去10年分の職歴が一人ひとり記されています。

 

税務調査に立ち会う税理士は、電話帳のように分厚いこの『10年職歴』をめくりながら「今度の調査官はベテランか、手強いかもしれない」「高校を出てそれほど経っていないから経験不足に違いない、よし押していこう」などと想像して対策を練るのが定番です。

 

もちろん個人差があるので、学歴や年齢、性別で相手の能力を測ることは難しいのですが、相対する税務調査官のことを知っておくに越したことはありません。

 

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税務調査で泣きをみないとっておきの知恵 税金を合法的に逃れる方法あります

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石川 博正

さくら舎

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