「新法」では借家人保護の立場が鮮明になる
所有権は、「土地建物が自分のもの」という意味ですが、借家権、借地権は「土地建物を借りている」ということです。特に東京23区内では、借地も多く存在しています。
借地にはメリット、デメリットが存在しますが、状況によっては借地が望ましいことも多いので、詳細を解説していきます。
借地権については、法律が改正され、新法借地権と旧法借地権が存在します。二つの借地権の内容を整理します。
【旧法借地権】
1921年から1992年まで71年間続いた借地権。
・契約期間(木造、軽量鉄骨造) 20年
・契約期間(重鉄、RC造) 30年
・更新方法 地主と更新契約を結んでいなくても「法定更新」となり、継続
・更新料 払わなくても良いが、安い地代の補填と考えている方も多く、
地主と関係を良好とするために支払うべき
※更地額×60%×(5%~10%)=更新料
・更新期間 初回と同様
・年間地代の基準固定資産税と都市計画税の合計×3~5倍
・増改築承諾料土地所有者の承諾が必要と書いてある場合が多く、
承諾を得ずに工事すると借地契約を解約される
※更地額×(2~5%)=増改築承諾料
ただし土地所有者の承諾が取れなければ裁判所に訴えることにより、
裁判所より承諾を得られる。
【新法借地権】
借家人保護の立場が強く所有権同様の効力があるということ、地価が上昇していても地代を上げられないということ、以上の2点より1992年8月1日に開始されました。借地期間満了に伴い必ず土地の返還を求めるタイプの法律が求められ、定期借地権が新設されたのです。そのため、新法借地権の多くは定期借地権となります。定期借地権と普通借地権については、図表を参照してください。
借地権は土地の評価額が路線価の半分程度であるため、融資を得づらい反面、利回りが高いという特徴があります。
23区内で旧法借地権である場合は利回りも取れるため、融資しだいでは「買い」です。仲介不動産会社に、底地権者との関係性がこじれていないかよく確認してください。
【図表 定期借地件と普通借地権】