前回は、空室対策として「インターネットへの物件掲載」が不可欠な理由を説明しました。今回は、入居者を獲得しやすい「不動産投資エリア」の選び方を見ていきます。

「この物件のターゲットは誰か」を正確に把握する

入居率が良ければ見逃されがちですが、賃貸需要は実は非常に大切なものです。当社の場合は賃貸管理も行うため、購入するお客様は、賃貸需要については安心されていることが多いです。

 

しかし、超高齢社会を迎えている日本では、既に死亡者数が出生率を上回っており、空室率も上昇の一途を辿っています。入居者獲得競争は今後、さらに激化していきます。そのため、管理を別会社に頼む場合はエリア内の賃貸需要をよく見定め、エリアの中でも優位性を持った物件を選択し、運用することが重要です。

 

そして、「この物件のターゲットは誰か」をエリアの有力仲介会社の営業マンに確認し、人間関係を構築し、学生、社会人、男性、女性、高齢者、外国人、生活保護者、ペット飼育者、子連れなど受け入れ体制を考えた上で進めていきましょう。

賃貸需要は駅の乗降車数と人口増減数を見て予測

賃貸需要を考える一例として、日本で最も乗降車数が多く、2007年度に364万人の乗降者を誇る新宿駅から電車で1時間東西南北に移動して、相場の家賃がいくらになるのかをみてみましょう。

 

駅徒歩10分、バストイレ別での相場家賃を不動産サイト、HOME'S(ホームズ)で検索してみてみると、

 

【1時間南へ/神奈川県平塚駅】

●ワンルーム 4.42万円

●1K 5.39万円

●1DK 6.49万円

 

【1時間北へ/埼玉県春日部駅】

●ワンルーム 5.01万円

●1K 4.38円

●1DK 5.06万円

 

【1時間西へ/東京都八王子駅】

●ワンルーム 4.54万円

●1K 5.76万円

●1DK 7.09万円

 

【1時間東へ/千葉県千葉駅】

●ワンルーム 5.46万円

●1K 5.91万円

●1DK 6.85万円

 

となり、平塚駅、春日部駅が比較的安価であることがわかります。

 

また、JRで1日の乗降客数を調べてみると、

 

●平塚駅 5万9918人

●春日部駅 7万2401人

●八王子駅8万4739人

●千葉駅10万3592人

 

となり、千葉駅が一番乗降客数が多いことがわかります。

 

人口を調べてみると、

 

●平塚市25万6117人

●春日部市23万6928人

●八王子市55万3610人

●千葉市で97万3289人

 

となり、やはり千葉駅が人口も一番多いことがわかります。

 

以上を考えあわせると、人口が多く、賃貸需要が活発な千葉市周辺に投資の有効性があると思われます。また、人口の過去の増減をみてみると、平塚市、八王子市、千葉市は人口がここ数年で横ばいであるのに対し、春日部市は5年で2%ほど人口が減少しています。物件価格が同じで利回りも同じである場合、千葉エリアを選択し、春日部エリアは控えた方がいいということがいえるでしょう。

 

このように、インターネットで統計を確認をすることができますので、あらかじめ需要を予測しておきましょう。

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    本連載は、2016年5月31日刊行の書籍『不動産投資は「土地値物件」ではじめなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    菅谷 太一

    幻冬舎メディアコンサルティング

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