将来の収益見込を予測するには「出口」まで計画する
不動産投資をはじめる方に向け、初期設定で行う3つの重要項目について説明していきます。
●安く、価値が下がりづらいものを購入する「入り口」
●保有中のキャッシュフローを最大化させ、着実にローンを返済していく「運用」
●将来的に高値で売却する「出口」
筆者はお客様に対し、この3点を説明して売却しています。
皆さんどうでしょうか。「入り口」と「運用」はほとんどの不動産会社が説明しますが、購入時に「出口」を提案してくれることはほとんどないのではないでしょうか。それはなぜでしょうか。資産入れ替えの経験、いわゆる「投資経験」が不動産会社の営業マンにないからなのです。不動産会社の営業マンは不動産投資のプロではないのです。ほとんどの会社は「売れば終わり」なのです。
購入前に、購入の方法、その後の運用、売却出口すべてについてあらかじめ戦略を立てておくことで、不動産投資の現実的な収益の見込みを立てることができるのです。
安く購入することが不動産投資を成功させる鍵
「売れば終わり」の業者にだまされないために、この3点について説明を進めていきます。
まず、安く価値が下がりづらいものを購入するという「入り口」からお話しします。
インカムゲイン狙い、キャピタルゲイン狙いどちらの人にもいえることなのですが、近い将来を予測し、10年後を読み通すことができる人はなかなかいないと思います。では、10年以上保有する可能性がある不動産に投資することについては、どうでしょうか。答えとしては、先の見えない10年後が悪くなっても耐えられるような初期設定(=入り口の設定)をしておくことが非常に重要になります。
ではどのような入り口を設定するのか――一言で言うと「安く購入する」ことなのです。これは、表面上利回り20%の物件を買いなさいと言っているわけではありません。また、20%の利回り物件は、正直なところ、私たちの会社でもそうそう出るものではありません。
不動産投資は保有中、維持経費が多くかかります。その内訳は、物件の価値を維持する経費、賃貸営業にかかる経費、保有に伴う税金などです。この経費による出費をあらかじめ抑えるように注意し、場合によっては売り主負担で対応してもらって購入することが、いわゆる「安く購入する」ことです。
購入に際して、保有後の経費がかからないように事前に調査しておくべきことは、大別すると2点あります。
●経費節減のための事前調査事項① 物件に関連すること
土地、建物それぞれについてのリスクを事前調査しておき、リスクを売り主と買い主の双方で納得した上で、買い主として最も良い条件で買えるようにすること
●経費節減のための事前調査事項② 家賃に関連すること
現在の入居者の家賃額と相場の把握、賃貸需要、入居者属性、保証会社加入の有無
この2つの事項を精査し、リスクがあればそれをあらかじめ調査し、リスクの補正を売り主負担にしてもらうこと。もしくは交渉して少しでも有利な条件にし、解決した上で購入することが重要です。
次回は、保有後の経費がかからないように事前調査する「物件」について見ていきます。