定年後に必要な「きょういく」と「きょうよう」
■第二の人生を「トライアンドエラー」で乗り越える
定年後に必要なものは「きょういく」と「きょうよう」だそうです。これは「教育」と「教養」ではなく、「今日いくところ」と「今日、用事がある」ことです。
まずは自分にできることをじっくり考えてください。とはいえ、「それが難しいんだよ」というぼやきが聞こえそうですね。
そこで、私は「トライアンドエラー」をお勧めします。少しでも興味のあることをまずやってみて、「自分には向いていないな」と思えば、次のものを試してみるのです。何度か試すと自分にできることは何かや、向き不向きがわかってくるはずです。
たとえば…。
▼もう一度仕事をしてみる
1か月5万円の仕事でも、収入があれば助かります。前述しましたが、老後資金に問題がない人も働くことによって、生きがいにつながり、社会との接点をもつこともできます。これはお勧めです。
▼ボランティア活動に参加する
地域の活動でもOKです。コミュニティが広がって仲間もできる機会となります。
▼男の料理教室に通ってみる
これは妻に大好評になるはずです。家事の助けになりますし、見直されること間違いなしです!
▼学び直し・リカレント教育
知識の探究に年齢は関係ありません。今からでもけっして遅くはないのです。時間に余裕ができたからこそ、昔かなわなかった夢に近づくことだって可能です。通信教育などさまざまな制度があるので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
このように何でも挑戦してみるのはけっこうですが、いきなり大金を注ぎ込むトライは慎んでください。エラーしたときの痛手が大きすぎます。「お金のプランニング」と「やりたいことのプランニング」の両方を考えることが大事です。
■定年後の人生は自ら考え、自ら行動する
ところで、定年後になかなか次の一歩を踏みだせない人がいます。それまでは会社に頼りきって、自分から動かなくてもうまく生きてこられたからです。
日本は終身雇用がずっと続いていました。高度成長時代は年功序列で給料も右肩上がり、定年まで会社に勤めていれば退職金を受け取れました。さらに年金もあるので、なんとかそれだけで人生を終えることができたのです。
親の世代までは、このロールモデルが通用しました。そういう親を見て育ったせいで、自分もなんとかなるだろうと思いがちです。