(※画像はイメージです/PIXTA)

超高齢化社会を迎えた日本では「介護」について考える必要性が高まっています。ここでは「要支援2となった75歳の母」「衰えが目立ってきた病弱な68歳の父」の事例をあげながら、最適な介護サービス・施設について解説します。※本記事は長年に渡り介護事業の運営・マネジメントに携わってきた福岡浩氏の著書『プロの調査員が教える! 介護事業所・施設の選び方が本当にわかる本』(自由国民社)より一部を抜粋・再編集したものです。

病弱な68歳の父、最近ますます衰えが目立つように

元々病弱だった父が最近、朝寝床から起き上がるのに時間がかかるようになってきました。まだ70歳にもなっていませんが、次第に痩せて、筋力も落ちてきているようです。

 

●杖購入、通所リハビリテーションなどを検討

 

本人は年齢的に介護保険を利用するほどではないと思っていましたが、念のため家族が要介護認定を申請したところ、要支援2となりました。

 

実は、初めて要介護認定を申請しても、非該当(自立)と判定される場合もあります。それは、介護保険を利用する必要がないという意味です。しかし、要支援や要介護と判定され、保険者(市区町村)から認定結果の通知が送られてくると、本人はそれなりにショックで、精神的に落ち込む人もいます。

 

68歳で要支援2と認定されて、前向きに自分の状態を改善しようと思えば、介護保険の利用を工夫して悪化を防ぐことができます。その他、地域の様々な住民活動に参加するのもよいでしょう。

 

例えば、近くの公園で毎朝行われる「ラジオ体操の会」などに参加して、体調を整えることも大切です。

 

●通所リハビリの様々な訓練内容

 

要支援の方は、介護予防サービスを利用することになります。病弱で定期的に医師の診察を受けているなら、通所リハビリテーションの利用を相談し、週2回程度の介護予防通所リハビリテーションで、起き上がりや立ち上がりが自力で安心してできるように改善を目指します。理学療法士や作業療法士、看護師などが医学的な視点で利用者の状態を把握していますので、改善効果が期待できます。

 

※「要支援1」または「要支援2」と認定された人を対象に、不活発な日常生活によって生じる心身の機能低下の予防・改善“筋力・体力・身体機能の維持向上を目的”として、理学療法士や作業療法士によるリハビリテーションを受けること

 

なお、要支援2ですので、介護保険の福祉用具貸与の品目は限定されますが、歩行に不安があるうちは、市販の杖を購入して使うようにするとよいでしょう。

 

[図表2]介護予防通所リハビリテーションのイメージ

 

出所:平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成28年度調査)
[図表3]通所リハビリテーションの訓練内容 出所:平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(平成28年度調査)

 

 

福岡 浩

介護業務運営・業務改善コンサルタント

元介護サービス情報の公表制度主任調査員

 

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