(※画像はイメージです/PIXTA)

起業の選択肢として認識されている「フランチャイズ」ですが、オーナーが現場で汗をかく従来型のスタイルばかりでなく、「投資」という視点で俯瞰すると、新たな可能性が見えてきます。国内外の大手金融で25年のキャリアを重ね、その後は投資の観点でフランチャイズ業界を研究、自身も複数店舗を経営する古川暁氏が解説します。※本記事は、『フランチャイズ投資入門』(秀和システム)より一部を抜粋・再編集したものです。

フランチャイズと「株式・不動産投資」の利回りを比較

●フランチャイズは年利33%の世界

 

「利回り」がどれくらいか、という観点からフランチャイズとその他の投資について考えていきたいと思います。

 

フランチャイズに加盟したことがないオーナー候補が、フランチャイズ本部に説明を聞くとき、必ず本部は「何年くらいで初期費用を回収できるか」という指標を、それまでの他のオーナーたちの実績を元に出してきます。

 

例えば1000万円の初期投資で年間の利益が200万円であれば、5年で回収ということです。5年で回収できるということは、年利20%で運用している、ということができます。

 

フランチャイズの世界で本部が事業計画として提示する資料で多いのは「3年程度で回収できます」というもの。逆に「回収に8年かかります」などというとなかなか加盟者が集まらない、なんていう話を聞いたことがあります。

 

仮に本当に3年で回収できるのだとすれば利回りは約33%。なかなか加盟者が集まらない、すなわちフランチャイズの世界では低水準の数値である8年回収であっても12.5%です。

 

●投資の神様・バフェットですら利回りは20%

 

他の投資をしたことがある人ならわかると思いますが、これはとんでもなく高い数値です。例えば株式と比較して考えると、「投資の神様」と言われるウォーレン・バフェットですら、長期の投資利回りは20%程度だと言います。フランチャイズ本部が「新人オーナー候補」に伝える平均的な値ですら、投資の神様を上回っているのです。

 

実際に私自身の経営しているフランチャイズ加盟店舗がどれくらいの利益を出しているかと言うと、もっとも安定した売上の店舗では1500万円の初期投資で5年目の現在は1ヵ月の利益が100万円ほど出ています。年間に直せば1200万円、つまり初期投資との比率でいえば年利80%ということです。

 

もちろんこれは5年間かけて経営ノウハウが磨かれた結果と立地診断を正しく行えた結果ではありますし、初年度からこの数字が出ていたわけではありません。しかし、仮にこれが最高水準の値であったとしても「それまで普通のサラリーマンだった人間が、始めて5年で投資の神様の4倍もの利回りを獲得できる可能性がある」というのは紛れもない事実ということです。

 

もちろん、フランチャイズにもリスクはありますし、その説明もこのあとしっかり行いますが、このことだけでも、フランチャイズは投資として大変魅力的な一面を持っているということが伝わると思います。

 

●一般的に株式投資の利回りは5~7%程度

 

先ほどはバフェットという一流の投資家の数値を持ちだしましたが、一般的に株式投資の利回りは5~7%程度。短期的に20%といった数値を出すことはありますが、期待値としてはこの程度です。

 

そもそも、金融商品への投資というのは専門家であっても市場の動きを読み切って平均以上に勝つというのは非常に困難な世界です。

 

これから投資をはじめてやる、という人であれば基本的には、市場の平均値にかける「インデックス投資」をおすすめされることが多く、そうなれば期待利回りは国内株で5%程度、アメリカ株で7%程度、というのが一般的です。

 

株式の他には債券もポピュラーなアセットですが、国内債券のリターンは長らくゼロに近い値です。外国債券は低リスク低リターンでコツコツと資産を増やすのに適していると言われますが、ここ最近はアメリカやヨーロッパの外国債券もリターンが極めて低水準となっています。アセットアロケーションの一環、すなわち様々な商品に自分の資産を分散することで、ひとつひとつのリスクを小さくするという考えならば良いですが、純粋に投資で稼ぐという意味ではあまり魅力のないアセットとなりつつあります。

 

●不動産投資でも5~7%程度が一般的

 

では金融商品以外の実物資産、例えば不動産はどうでしょうか。国内の中古マンションへの投資の場合、表面利回りは株式と同程度の5~7%程度が一般的です。

 

他の投資にも言えることですが、投資と言うのは基本的にリスクとリターンが相関します。つまりリスクを大きく取ればリターンも大きくなるのですが、不動産の場合は「入居者がいない」というのがリスクになるため、入居者が入りづらい・修繕費用がかさむような物件、例えば築古戸建投資であればリスクが高い分利回りが15%を超えることもあります。

 

●大きく稼ぎたいならフランチャイズは魅力的な投資先

 

リスクヘッジをしながら、自分の手もできるだけかけず、「銀行に預けるよりはマシだよね」くらいの感覚で資産を運用したいのであれば、こういったアセットに投資をするのが良いかもしれません。

 

しかし、メインの収益源として期待している、できる限り大きく稼ぎたい、そう思っている人にとっては、フランチャイズというのは一般的なアセットに負けない、いやそれ以上の投資先となり得るのです。

 

 

古川 暁

ロータス・インターナショナル株式会社 代表取締役

公益社団法人日本証券アナリスト協会 検定会員

 

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