(写真はイメージです/PIXTA)

長男は東京大学に現役合格、次男は京都大学に現役合格、長女はロンドン大学UCLに現役合格……母学アカデミー代表の河村京子氏の書籍『教えない子育て 正解のない時代に「実践できる子」を育てる』(日本法令)から一部抜粋・編集し、子どもが素直に宿題を始める言葉選びについて解説していきます。

宿題をせずにゲームをする子どもになんと声をかける?

「まだ宿題をやっていないの? 早くやりなさい!(怒)」毎日のようにこんな大声を出しているお母さんもいらっしゃることでしょう。

 

「毎日言っているのに、どうしてやらないの?」「さっさとやればいいのに」「もっときつく言わないと効き目がないのかしら」こんなふうに思っていませんか。毎日怒鳴っても子どもが宿題をやらないのは、お母さんが直球を投げているからです。

 

子どもだけではなく大人もですが、正しいことを真正面から直球で投げられると、逃げ場がありません。そんな時の相手の反応は3つです。

 

1.逆ギレする

2.殻にこもる

3.嘘をつく

 

この中に「反省をする」という反応は残念ながらありません。

 

お母さんが「宿題は?」と言った時に、子どもが、「今やろうと思っていたのに、お母さんがそんなこと言うからやる気がなくなった」と逆ギレするのは自然な反応なのです。黙り込んでしまうのも仕方がありません。

 

「もう終わったよ」とすぐにばれる嘘をつくのも子どもが悪いのではなく、お母さんが言わせているのです。それなのに宿題をやっていないとばれた時に、「嘘つきは泥棒の始まりだから!」と、さらにお説教を重ねると、子どもの心はますます離れていきます。

 

「じゃあ、いったいどう言えばよいの?」ともし、今あなたが逆ギレしそうになっているのなら、私の文章の書き方がちょっと直球すぎたのかもしれません。では、直球を投げないで注意するためにはどうしたらよいのでしょうか。

 

答えは、変化球を投げることです。もしお子さんが、宿題をせずにテレビやゲームに没頭していたら、笑顔でこう言ってみてください。「あ、もう宿題終わったんだね。さすがだね」と必ず笑顔で言ってください。決して嫌味っぽく言わないことが大事です。そうするとお子さんはきっと、「うん、今からやるところ」と立ち上がるでしょう。

 

子育ての中で、お子さんとよい関係を続けていきたければ、たくさんの変化球を持つことです。子育ての中では子どもに教えなければならないルール、禁止しなければならないことがたくさんあります。

 

それらをすべて直球で伝えると、反発されたり、殻にこもられたり、嘘をつかれたりします。そうすると親子の信頼関係は少しずつ失われます。そして中学生になる頃、反抗期としてしっぺ返しがやってきます。

 

子どもが小さい時からなるべく直球を投げず、いろいろな変化球で子どもとの関係を続ければ、穏やかに反抗期が過ぎていくでしょう。

 

 

河村 京子

母学アカデミー代表

 

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