入浴事故を防ぐため、常に1対1で対応し目を離さない
入浴時の事故を起こさないためには、まず入居者先生一人ひとりの健康状態をしっかりと把握することが必要です。
例えば、要介護者の住まいに浴槽を持ち込んで入浴サービスを行う訪問入浴では看護師の帯同とそのバイタルチェックが義務づけられています。施設でも、それと同様に血圧、体温、脈拍などのバイタルチェックを徹底することが求められます。
また、一瞬でも目を離さないよう、入浴の時は入居者一人に対してスタッフ一人が付くことを、常に1対1の対応を基本とすべきでしょう。特に浴槽に入る、あるいはそこから出るといった身体の移動時には事故が発生する可能性が高くなるため、細心の注意を払わなければなりません。
さらに、やけど事故などを防ぐためには、入浴温度の厳格な管理が欠かせません。その際、温度計を過度に信用するのは危険です。特に大きな浴槽内の温度にはむらがあり、測る場所によってはかなりの温度差があるからです。
ですので、スタッフが自らの手を入れて体感で適切な温度かどうかを必ずチェックしなければなりません。それから、ヒートショックによる血圧の急変等を避けるためには、肩などにいきなり熱いお湯をかけるのではなく、足先など心臓から遠いところに少しずつお湯をかけていくなどの対策が必要になります。
また、入浴の際には脱水症状を起こす恐れもあるので、十分な水分をとらなければなりません。入浴の前と後のこまめな水分補給が大切です。加えて風邪等を防ぐために入浴後には体を乾いたタオルでしっかりとふくことも必要です。
上村 岩男
株式会社三英堂商事
代表取締役社長
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