患者は検索中「より重い病気」の不安を増幅させる
具体的な症状を検索してクリニックに来院するまでの流れを見ていきましょう。例えば、慢性的な頭痛に悩まされていてインターネットで検索するとします。
①頭痛の原因を調べる
まずは、GoogleやYahooの検索窓に「頭痛」「頭痛+原因」などのキーワードで検索します。そうすると頭痛の知識や原因となる病気を知ることになります。原因となる病気としては、「緊張性頭痛」「片頭痛」「群発頭痛」「くも膜下出血」「脳出血」などを目にすることでしょう。
②病気を調べる
次に病名でどのような症状があるのか、自分の症状に当てはまるのかを再度検索します。「緊張性頭痛+症状」「片頭痛+見分け方」などのキーワードで検索されるわけです。
③診療科を調べる
その次に緊張性頭痛や片頭痛の可能性が高そうなら、「緊張性頭痛+病院」「片頭痛+何科」などで検索して、緊張性頭痛や片頭痛なら病院の何科を受診すればいいのか調べます。頭痛であれば、神経内科などが専門科目になりますが、状態によっては、クリニックではなく、整骨院、整体院、マッサージなどで治療を受ける、ドラッグストアなどで市販薬を購入するなどすることもあります。仮にくも膜下出血の可能性が高いという結論に達すれば、その場で救急車を呼ぶ人もいるでしょう。
④クリニックを探す
神経内科や頭痛を専門にしている内科のクリニックに行こうと思ったら、「地域名+神経内科」「地域名+内科+頭痛」などのキーワードで検索して、いくつかのクリニックホームページを閲覧して、掲載されているアクセス、診察時間、医師紹介、診療内容などを参考に、2、3個のクリニックを比較検討し、最終的に受診するクリニックを決定します。あくまで一例で、いきなり「地域名+科目名」を調べるなどのケースはあるでしょうが、1つのキーワードだけでなく、いくつかのキーワードで検索して病気のことを知り病院を探して、クリニックにたどり着きます。
上記の過程において、その病気にも自然と詳しくなりますし、より不安が強くなったり重い病気の可能性を考えてしまったりするものです。余計に不安になりメンタル的にも不安定になってしまうこともあります。
インターネットにはさまざまなメリットはありますが、調べるうちに過剰に不安を覚えるといったデメリットもあるということでしょう。
患者の「自己診断」を頭ごなしに否定しないで
ときには、自覚症状から「この病気ではないか?」とインターネット上で書かれている知識を参考にして、自己診断した上で受診される方もいます。
診察した上でその病気であればいいのですが、違う病気であった場合、なかなか納得していただけずに困っているという開業医の声もあります。
患者さんは病気に悩んで色々調べた上でわざわざクリニックに来院されているわけですから、一方的に否定したり、軽くあしらうような態度をとったりするのはよくありません。
悩みが深そうであれば、開放型質問(質問された人が自由に答えられる質問)で、患者さんの考えを聞いた方がいいかもしれません。たとえ患者さんの自己診断が間違っていたとしても、納得してもらえるように、丁寧にわかりやすく説明する必要があります。
蓮池 林太郎
新宿駅前クリニック 院長
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】