税務調査で「質問応答記録書」に署名を求められたら?
税務署の税務調査で一筆入れることを求められる場面は限定的であり、一筆入れずに調査が終わることもあります。また平成25年から税務調査の手続きが法律で規定され、以前と現在の「一筆入れる」は意味合いが少し異なりますので、ご注意ください。
■「一筆入れる」とはどういう意味か
税務調査で「一筆入れる」とは、質問応答記録書に署名することです。
質問応答記録書とは、税務署の調査担当者が質問し、調査を受ける納税者が回答した内容を文書として残すための書類です。
質問応答記録書への調査対象者の署名は必須ではありませんが、署名がない書類よりも、納税者が署名した書類の方が証拠としての価値は高いです。
そのため、税務署は納税者に対し質問応答記録書に一筆を求めてくるのです。なお平成25年の調査手続き改正以前までの「一筆入れる」とは、納税者が「申し訳ございませんでした」と、申告誤りを認める意思表示でした。
現在もそのように謝罪文として一筆を求めてくるケースもありますが、基本的には質問応答記録書に署名することを「一筆入れる」といいます。
実地調査以外の調査で「一筆」を求められることはない
税務署が行う税務調査は、「実地調査」・「実地調査以外の調査」・「行政指導」の3種類です。
実地調査は、税務署の調査担当者が自宅や職場を訪ねて、調査を行います。相続税の実地調査は、一日中調査が実施されます。実地調査以外の調査とは、税務署内で調査担当者が申告内容の誤りを指摘する方法です。
調査前に担当者が指摘事項を整理しているため、調査による拘束時間は短いです。行政指導とは、税務署が納税者に自主的な申告内容の訂正を促す行為であり、法律上の税務調査ではありません。
そのため実地調査や、実地調査以外の調査よりもペナルティが軽微になっています。これら3種類の税務調査の中で質問応答記録書を作成する可能性がある、つまり税務署が一筆求めるのは、実地調査のみです。
したがって、実地調査以外の調査や行政指導を受ける際に、一筆求められることはありません。
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