「相続税の未成年者控除」への影響は?
相続税額の計算における「未成年者控除」の計算方法も変更されます。
相続税の未成年者控除とは、相続人が未成年者の場合に、年齢に応じて相続税額から一定額を控除できるという制度です。未成年者控除の額は、その未成年者が成年になるまでの年数×10万円で計算されます。年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します(例:成年になるまで3年4か月→成年になるまでの年数を「4年」として計算)。
改正前:未成年者控除額=(20歳-相続開始時点での年齢)×10万円
今回の改正により、未成年者控除の対象者は、2022年4月1日以降に開始する相続から「18歳未満」となります。
たとえば、未成年者の年齢が15歳9ヵ月の場合は、9ヵ月を切り捨て15歳で計算します。この場合、18歳までの年数は3年になります。したがって、未成年者控除額は、10万円×3年で30万円となります。
改正後:未成年者控除額=(18歳-相続開始時点での年齢)×10万円
なお、すでに未成年者控除を受けたことがある未成年者が、2回目以降に控除できる金額は以下の通り計算されます。
最初の相続等の時点で控除できる金額-既に控除を受けた額の合計額
ここで、最初の相続等が2022年3月31日以前で、2回目の相続等が2022年4月1日以降である場合、この計算式における「最初の相続等の時点で控除できる金額」を、以下の通り計算し直すことになります。
(18歳-最初の相続等の時点の年齢)×10万円
事例で見てみましょう。
1回目の相続が2017年(未成年者の年齢が2歳で相続税額が90万円)
2回目の相続が2022年4月以降(
1回目の相続時点(改正前)での控除可能額=(20歳-2歳)×10万円=180万円
※計算されていた相続税額が90万円で控除可能額180万円を下回りますので、実際に控除される金額は90万円でした。
2回目の相続時点(改正後)での控除可能額
=(18歳-2歳)×10万円-90万円=70万円
1回目の控除可能額を「(20歳-2歳)×10万円」から「(