「目標」が定まらないと「行動」はできない
幸い医師の皆さんは一般的なサラリーマンよりも収入が多い。これは資産形成の上で、非常に大きなアドバンテージになります。
勤務医の年収は1500万円前後ということですから、平均月給にすれば100万円から120万円。一方で35歳から39歳男性の平均年収は498万円、40歳から44歳は561万円ですから確かに高所得です。
この現状をまず確認した上で、それではここから、一体どのくらいの資産を形成することを目指すか? 行動するにしても目標が定まらないと、どのような動きをすればいいかが見えてきません。
悠々自適な老後生活には最低でも「数億円」が必要!?
目標として皆さんは、将来いくらぐらいの資産を希望しますか? たとえば仮に最終ゴールを開業とすればどうでしょうか? 開業資金を蓄えるといっても場所や診療科目によってさまざまですが、土地と建物、そしてX線撮影装置や超音波診断装置などの各設備を含めて、最低でも1億円は必要でしょう。
さらに家庭に必要な資金を忘れてはいけません。子どもの教育費であれば、医学部を目指すなら、その6年間の学費は国公立大学に入学の場合で約350万円。しかし、私立ならば多くが3000万円前後、高い大学なら5000万円近くになります。子ども2人なら6000万円以上です。
そのうえ悠々自適な老後生活を送ることを考えると最低でも数億円・・・。
しかし、心配には及びません。これをサラリーマンの平均年収から資産形成しようと思えば、難しいと言わざるを得ませんが、皆さんは幸運にも医師です。筆者がこれまでコンサルティングしてきた経験から言って、最低でも3億円は堅い。現実的に考えて5億円は普通に達成できます。
しかし、まずは目標ですから、ここは10億円と設定してみましょう。できれば資産10億円あれば理想ではないでしょうか。しかも開業や教育費を考えると、できるだけ早い時期にこの金額を達成したいところです。そこで本連載では5年以内に資産10億円を目指すことにします。