(写真はイメージです/PIXTA)

「終活」と聞いて「具体的になにから始めればいいのかわからない」という人が多いでしょう。リポーターで一般社団法人終活協議会理事の菊田あや子氏は、終活では、医療・介護・相続・保険・葬式・墓の6つが重要になると述べていますが、特に墓は、個性的な埋葬法を希望したばかりに、せっかくの終活が台無しになる場合もあるといいます。今回は6つの重要項目のうち、墓のほか、相続・保険・葬式についてポイントをみていきましょう。

「希望の葬式を叶える」…終活で想いを伝えておく

皆さんが「終活」と聞いて、最初に思い浮かぶのは、お葬式のことではないでしょうか。お葬式は、人生を締めくくる大切なイベントですが、見送られる本人の意思が活かされることは少ないように感じます。

 

葬儀を主催する家族が、故人の希望を想像して、あるいはでき得る限りの誠意で行われることがほとんどです。誰かの葬儀に参列して、「ここまで盛大にする必要はないな」とか「自分のときはこんなふうにしたい」と思うこともあると思います。そうした希望をまとめておきましょう。

 

まずは、葬儀を実施するか否かを決めて、葬儀をする場合は、「知人、友人も招いた一般的な葬儀」「親族だけの葬儀(家族葬)」「親族だけの葬儀(家族葬)のあと、友人知人を招いたお別れ会をしてほしい」「葬儀はせずに火葬だけで済ませていい」「通夜は行わず葬儀だけの一日葬」「家族に任せる」など考えます。ちなみに母に希望は聞けませんでしたが、母の希望をイメージして、「自宅葬」にしました。

 

また、葬儀をする場合は、その規模も「標準的な規模」「なるべく予算を抑える」「予算は気にせず立派な葬儀をしてほしい」などの希望を伝えましょう。具体的に「〇〇万円程度に収めてほしい」とすれば、分かりやすいかもしれません。葬儀はぜひ、見積もりを取りましょう。

 

そのほか、喪主になってほしい人や弔辞をお願いしたい人、葬儀の連絡をしてほしい人のリストを作ったり、葬儀中のBGMや希望があればお花の種類なども決めておくといいと思います。

 

また旅立ちの日のために改めて遺影を撮影したり、白装束にするか否か、白装束でない場合はどのような洋服(あるいは和服)を着るか、希望の棺桶やともに納棺してほしいもの、参列者にお渡しするお礼の品など、葬儀を自分のイメージどおりにできるようプランを立ててみましょう。

 

戒名についても希望がある場合は「標準的なランクの戒名を付けてほしい」「多少お金がかかってもなるべく良い戒名を希望する」「戒名を付けてほしくない」、あるいは、希望があれば、あらかじめ戒名を用意することもできます。その場合は、正しい戒名を親族に伝えておきましょう。

樹木葬、宇宙葬…個性的埋葬は親族トラブルの原因に!

自分が入る予定のお墓がある場合は、寺院・霊園名と連絡先を親族に伝えます。また、「先祖代々のお墓」「しがらみのない跡つぎ不要の永代供養墓」「夫婦だけのお墓」「納骨堂」「故郷のお墓」「故郷に新たな墓」など希望する埋葬・供養法を考えます。

 

現在はお墓がない場合でも、今後、購入予定がある場合は購入予定として知らせておきましょう。これからお墓を用意する場合は、寺院や墓地、霊園などを見学に行くのもいいと思います。

 

例えば「海が見える場所で眠りたい」「家族が来やすいようにご近所で」「なるべく費用がかさまない場所で」などいろいろと希望はあるはずです。住宅を購入する際に吟味を重ねるように、お墓もご自身が心地よい場所を見つけてください[図表1]。

 

さらには、新しくお墓を建てる場合に希望すること、「墓碑銘」や「墓のデザイン」についても希望を伝えるといいと思います。分骨希望の際は、分骨してほしい先の連絡先と関係を明確にしておきましょう。

 

お墓に納骨する以外にも「海洋散骨」や「樹木葬」「宇宙葬」「バルーン葬」など個性的な埋葬法も増えています。気を付けたいのは、個性的な埋葬をした際の親族への連絡です。

 

娘さんがお母さまの意思で樹木葬を選んだものの、親族により反対されて、一度埋葬した骨を先祖代々の墓に移したという例がありました。個性的な埋葬にするなら、あらかじめ親族に理解してもらうようにしておくことが大事です。

 

[図表1]墓地の種類と特徴
[図表1]墓地の種類と特徴

 

 

菊田 あや子

リポーター

一般社団法人終活協議会理事

 

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

本連載は書籍『エンジョイ! 終活』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

エンジョイ! 終活

エンジョイ! 終活

菊田 あや子

幻冬舎メディアコンサルティング

年を重ねるごとに大きくなる不安は不安の正体を知ることで解消できる。グルメレポーターであった著者が母を看取り、今思う「終活」の大切さとは。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録