(写真はイメージです/PIXTA)

終活を行うための「適齢期」はいつでしょうか。リポーターで一般社団法人終活協議会理事の菊田あや子氏には問いに対する、明確な答えがあります。その答えと理由について説明します。

「終活を始めた」芸能人からわかる!終活のメリット

終活をブームと呼ぶのは、終活ガイドの身としてはあまり好ましいものではありません。一過性のブームではなく、誰もが当たり前のように終活をしてほしいと考えているからです。一方で最近、芸能界でも「終活を始めた」と発言する人が目立っています。世の中をリードする彼らが、言葉に出して終活の大切さを語ってくれるのは、ありがたいことです。

 

例えば、タレントの長嶋一茂さんはテレビ番組で「40代後半から銀行の整理や物の整理、お墓の準備などの終活を始めている」と言っていました。現在は、双子のお嬢さんに遺したい人生のエール、生き方のマナーなどをしたためているといいます。「遺言に近いようなことは生きているうちにできる。それは大事なことだと考えている」のだそうです。とても共感できる言葉です。

 

また、俳優の高橋英樹さんも33トンもの生活用品を断捨離したと、テレビ番組で話していました。きっかけは、娘さんの「パパやママにとってはホントに大事なものかもしれないし、想い出深いものかもしれないけれども、私にとってはゴミだから」という言葉。

 

高橋さんは、その言葉を聞き「そういえば友達がみんな『早いうちに片付けたほうがいい』と言ってたな」と、奮起したそうです。断捨離後のすっきりした気持ちを味わい「70歳までに片付けを決意する」ことを勧めていました。高橋さんがこの大規模断捨離を終活ととらえているか否かは不明ですが、終活の第一歩は断捨離からです。「70歳までに片付けを」というのは、とてもいいアドバイスだと思います。

 

さらには、おしどり夫婦として人気の中尾彬さん・池波志乃さんご夫妻も、2018年には『終活夫婦』という本を上梓され、メディアでも終活の大切さを伝えています。ご夫婦ともに大病・難病を発症され、断捨離、お墓の建設、遺言の作成などをなさったそうです。

 

中尾さんは「実際に取り組んでみると、結構面白いもので、遺書の執筆なんかはいろいろなことが整理されていく感覚がとても気持ちいい」と言い、志乃さんは「終活では捨てられると悲しくなるようなものを残しておくことが大事。捨てるとパートナーと喧嘩になってしまうものは(捨てるのを)避ける」と言っています。

 

ご夫妻で終活に取り組むことで、お二人の絆が深まったように見えました。

 

アラフィフの人気タレント、いとうあさこさんも同世代の女性芸人が「終活」を始めたことと、ご自身の体調が優れないことが重なって、終活に興味をもったといいます。彼女の取り組みは具体的で、「断捨離」「遺影撮影」「お墓の準備」「葬儀の準備」などです。

 

そのほか、女優の夏木マリさん、お笑い芸人の中田敦彦さん、タレントのテリー伊藤さんなど、終活に取り組んでいることを公言している人は大勢います。それぞれの終活はインターネットなどで検索できますから、参考になさってもいいと思います。

自分の未来に「今から」備えるべきの7つの活動

ここまで読み進めていただき、終活の必要性を感じてくださった方も多いと思います。だからこそ湧いてくるのが「終活って具体的になにをするの? 」という疑問ではないでしょうか。

 

終活は、「遺された家族に迷惑を掛けないように、もしものために準備をしておくこと」、シングルの場合は「家族の代わりに自分の最期のケアをしてくれる人を探し、人生の最期の希望を伝える」ことです。

 

人生の終わりの準備として、葬儀やお墓の準備、相続のこと、介護や病気へのケアなど自分の未来に今から備えるための活動が終活です。終活は大きく以下の7つの項目に分けて考えられます。

 

1.終活の背景

2.医療について

3.介護について

4.相続について

5.保険について

6.葬式について

7.お墓について

 

この7項目のなかでやりやすいものから始めてみてください。終活をすることで、自分の人生を振り返り、今後の人生をより良くしようと考えるきっかけにもなります。

 

菊田 あや子

リポーター

一般社団法人終活協議会理事

 

 

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本連載は書籍『エンジョイ! 終活』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

エンジョイ! 終活

エンジョイ! 終活

菊田 あや子

幻冬舎メディアコンサルティング

年を重ねるごとに大きくなる不安は不安の正体を知ることで解消できる。グルメレポーターであった著者が母を看取り、今思う「終活」の大切さとは。

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