「3つの商品特性」を自分の年齢に合わせて考える
資産運用をする際に、避けて通れないのが「資産配分」の問題です。よく言われるのは「金融商品はその性質によって流動性商品、安全性商品、収益性商品があり、あなたのライフプランに合わせて、それぞれに分散投資しましょう」というものです。
ここで言う流動性商品とは、現金や預貯金のようにいつでも必要に応じて現金化できる金融商品です。安全性商品とは、国債をはじめとする債券などを指します。収益性商品とは、株式や不動産などリスク性が比較的高い金融商品全般を指します。『「特別な投資話」に騙されるな!投資詐欺を見破る簡単な方法』で説明したローリスク・ローリターン型、ミドルリスク・ミドルリターン型、ハイリスク・ハイリターン型の分類を言い換えたものと考えても差し支えありません。
では、どのように分散すればよいのか?
実は、これには正解はありません。
私の知り合いのファイナンシャルプランナーやファイナンシャルアドバイザーなどに意見を聞いても、教科書的な分散を提案する専門家もいれば、積極的な運用をアドバイスする専門家もいて、考え方はまさに千差万別。万人に当てはまる唯一の公式など存在しないのが実際のところです。
そこで、ここではライフプランという前提をいったん離れて、「収益性商品への投資」という視点から、ひとつの手がかりをご紹介したいと思います。それは「エイジスライド方式」という考え方です。
エイジスライド方式は、投資する人の年齢に応じて、資産のなかのどれくらいの割合を収益性商品に配分可能かを判断する際に用いる考え方で、下記ような公式で求めます。例えば、現在30歳の人なら90%、50歳の人なら70%、それぞれ収益性商品に配分可能ということになります。
エイジスライド方式
エイジスライド方式による収益性商品への資産配分の割合
120-年齢(age)=収益性商品への配分率(%)
[例]30歳の人なら、120-30=90%
70歳の人でも、120-70=50%
ひと昔前は、この公式の最初の数字は120ではなく、100を使っていました。しかし、長寿化が進み、定年退職する年齢も高くなった現在は120を使うのが一般的です。したがって、エイジスライドについて「100-年齢」という記述を見たら、それは古い情報だとお考えください。時代の変化に合わせた情報を常に活用しましょう。
このように見ると、意外に、年齢が高くなっても、収益性商品の割合を大きくすることは可能であることがおわかりいただけると思います。では、なぜ投資においてはこのエイジスライド方式が注目されるようになったのでしょうか?
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