※画像はイメージです/PIXTA

人生100年時代、資産運用の考え方もバージョンアップし、最近ではリスクを取りに行く投資スタイルも推奨されるようになってきました。ここでは、年齢に応じてどこまでハイリスク・ハイリターン型の投資を行うか判断する「エイジングスライド方式」について解説します。※本連載は、市川雄一郎氏の著書『投資で利益を出している人たちが大事にしている 45の教え』(日本経済新聞出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

物価上昇に追いつく預貯金金利なし!

根底にあるのは、物価の上昇にどう備えるかということです。

 

物価というものは基本的には上昇していきます。物価上昇に預貯金金利が追いついていくのであれば何も問題ありませんが、経済の仕組みを考えると、そうなることはあり得ません。銀行は皆さんから預かったお金を運用して利益を上げ、そこから利息を支払うわけですから、物価上昇分より低い金利でなければ、銀行の経営は成り立たないからです。特にいまの日本では普通預金は年利0.001%という超低金利ですから、100万円預けても1年でつく利息はわずか10円、源泉徴収されれば8円にしかなりません。

 

これに対して、株式投資はどうでしょうか?

 

例えば、米国の代表的株式指数であるS&P500インデックスの1973〜2018年の45年間の年平均利回りは7.1%です。

 

もちろん、これはあくまでも平均利回りであって、短期的には大きく値を上げたり下げたりしますし、実際にS&P500インデックス投資信託に投資する場合は外国為替リスクも考えなければなりませんが、長期投資で考える限り、平均利回りが預貯金金利を下回ることはほとんどないと言っていいでしょう。

 

日本株も同様です。

 

バブル景気とその崩壊、〝黒田バズーカ〞と呼ばれる日銀の長期低金利政策など特殊要因はいろいろありますが、例えば、日経225インデックスの2000年12月末〜2020年12月末の20年間の平均利回りは3.5%になっています。少なくとも10年以上の長期で見れば、株価は上昇しているのです。

 

投資理論も昔とは大きく変わってきており、以前よりも積極的にリスクを取りにいくことを推奨するのが近年のトレンドになっています。それが絶対に正しいと言っているわけではありませんが、エイジスライド方式はひとつの目安にはなると思います。

 

ですから、若い方はもちろん、中高年の方でも、このエイジスライド方式を参考にして、ご自身の年齢に応じて無理なくできる資産配分を検討してみる手はあるでしょう。

 

◆まとめ◆

物価上昇分をカバーする資産配分を考えよう!

 

 

市川 雄一郎

グローバルファイナンシャルスクール校長

 

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市川 雄一郎(編著)
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