クリニックの経営において最も重視すべきは「スタッフの採用・教育」です。どれだけ医師の腕がよくても、受付スタッフの応対で患者が離れてしまうことは珍しくありません。自身もクリニックを経営する医師であり、数多くのクリニックのコンサルティングを行ってきた蓮池林太郎氏が、繁盛するクリニック経営のポイントを解説します。

電話対応のせいで、来院を取り止める患者もいる

予約制であれば電話で予約を取ることもありますし、電話などでクリニックの道案内、診療時間、診察できる症状なのかどうかなどの問い合わせをすることもあります。中には、電話対応が悪かったせいで来院を取り止める患者さんもいます。

 

②問診票を記入する、⑦会計を待つ際にも、受付近くに座っているため、「(医療事務同士が)しゃべっていてうるさい」「会話内容が不適切」などのクレームやネット上の悪い口コミにつながってしまうこともあります。

 

院外処方であれば、近くの調剤薬局で処方せんを薬にする必要があります。⑨薬を受け取る、についても「近くの調剤薬局で薬剤師が処方せんを確認して薬を渡す段階はクリニックとはあまり関係ない」と思われがちですが、実際には深い関係があるのです。

 

患者さんの中にはクリニックと調剤薬局の区別がついていない場合もあり、調剤薬局でクリニックの医療事務や医師のクレームを伝える患者さんもいます。

 

なかには、クリニックの医師と近くの調剤薬局の薬剤師で対立しているところもありますが、もったいないことです。

 

近くの調剤薬局とはくれぐれも良好な関係を築くべきといえるでしょう。

受付スタッフは、採用時に「トライアル勤務」を設けよ

このように、医療事務の応対は、クリニックの評価に非常に大きな影響を与えます。

 

医療事務の仕事は、受付以外にもデータ入力、レセプト、掃除などもあり、覚えることも少なくありません。

 

クリニックの接遇やルーティンワークはマニュアル化し、どの医療事務が接遇したとしても、一定の水準以上であるように教育する必要があります。

 

そのため、スタッフの採用も慎重に行うことが求められます。たとえば、筆者の経営するクリニックでは、採用時に「1日体験のトライアル勤務」を設定しています。

 

医療事務として必要な能力である受付における接遇、データ入力、レセプトなど面接の自己申告だけではわからない能力を確認し、同僚となる医療事務に評価してもらうのです。

 

「面接ではレセプトもできるという話だったのに、実際にはレセプトがほとんどできない」ということもあるため、自己申告を鵜呑みにすることはできません。

 

1日体験であっても給与や交通費は支給しています。

 

1日体験のトライアル勤務をおこなうことによって、辞退する求職者も少なくありません。しかし、実際に職場環境を体験できるという点は、求職者にとっても大きなメリットとなります。

 

短期間で退職してしまい、また広告を出したり紹介料を支払ったりするなどの採用コスト、独り立ちするまでにかかる教育コストもかかりますので、できるだけ長く勤務してもらえる医療事務を採用したいものです。

 

 

蓮池 林太郎

新宿駅前クリニック 院長

 

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